パブロ・トマ・アダン
ぱぶろとまあだん
何度でも甦るから、許してくれよ。
ゲーム「魔法使いと黒猫のウィズ」に登場するキャラクター。
CV:深町寿成
パブロ・トマ・アダンはイベントストーリー「聖サタニック女学院」に登場するキャラクターである。黒猫の魔法使いを召喚した学級の担任であり、物腰が柔らかい。霧の魔人であり、実体がないので死んでもしばらくしたら復活する。命が軽いせいか、周りからの扱いが雑なうえ、出番が多いにもかかわらず印象の薄い、不遇なキャラクターである。
プロローグ〜初級: ニンゲン降臨
「いいか、簡単な使い魔とは言っても、れっきとした契約術なんだ。遊び半分でやるんじゃないぞ。」
パブロの指導のもとで、使い魔召喚の実技に取り掛かる生徒たち。だが、大雑把な性格のミィア・ヤガダが、指示にない魔法陣を書いてしまう。魔法陣からは、黒猫を連れた魔法使いが現れた。
「こ、これは……。に、ニンゲン?」
騒ぎを聞いて駆けつけたパブロも驚く。初めて見るニンゲンの登場により、教室には動揺が広がった。やがて動揺は恐れに変わり、そして狂乱となる。
「おい。お前たち……。落ち着け! ニンゲンは悪さはしな……。」
「うるせー! 邪魔だ、どけー!」
生徒たちを止めようとするパブロの声は、空しく響くだけだった。
黒猫の魔法使いが応戦しようとすると、パブロがそれを制する。
「やめろ! ニンゲン。あの子たちは僕の生徒だ。手を出すのはやめてくれ。僕が説得する。」
パブロの熱意のこもった瞳、真摯な言葉に、黒猫の魔法使いが手を引いた。パブロは静かに頷くと、生徒たちへ向き直る。
「……みんな、聞いてくれ。」
「邪魔だ、ぼけー!」
「ガッ!!!」
混乱した生徒の一撃が、パブロの脳天を直撃する。パブロは死んでしまった(本日1回目)。
混乱が収まったころ、黒猫の魔法使いの周りに霧が発生する。霧は圧縮されて、人のような形を形成した。霧はさらに濃くなっていく。やがて完全なる人の姿、パブロの姿に変化した。
「どうやら騒ぎは収まったようだね。」
何事もなかったかのようにパブロは言った。それを受けて、生徒の一人であるシルビー・タロンは不服を言う。
「もう先生、簡単に死に過ぎ!」
「ははは。でも何度でも甦るから、許してくれよ。」
唖然とする黒猫の魔法使いに、生徒の一人、ウリシラ・ファーレが補足する。
「パブロ先生は霧の魔人なんです。実体がないから死んでもしばらくしたら復活するんですよ。」と。
「ねえ、先生。このニンゲン、私たちのクラスで飼っていい?」
ミィアの提案に、パブロは思考を巡らせる。
「ニンゲンは一度死ぬと甦れないというし……。よし、わかった。いまからこのニンゲンは学級飼育の生き物だ! 命の大切さを学ぶいい機会だ。ちゃんと世話をするんだぞ!」
「やったー! 先生大好き!」
はしゃぐ生徒たちを見ながら、黒猫の魔法使いはため息をついた。
中級: 邪神再誕
女学院に現れたのは、黒猫の魔法使いだけではなかった。女学院の創立者である邪神ルルベルを名乗る小さな女の子も、どこからともなく現れ、ミィア、ウリシラ、シルビーたちと行動を共にしていた。
アリーサ・ベルゴン率いる生徒会は、風紀を乱すという理由で黒猫の魔法使いとルルベルを没収しようと実力行使に出る。生徒会と黒猫の魔法使いたちの激しい攻防。聞きつけた生徒たちも、その争いに加わり、さらに過熱していく。
戦いを止めようとしたパブロも……。
「お前たち、何をしているんだ……ぎゃあぁぁ!」
犠牲になった(本日2回目)。
幕間: 現代ルルベル学講義
女学院についての歴史の授業。
「せっかくルルベル様が再誕されたことだ。少しルルベル様本人に聞いてみようじゃないか。さ、ルルベルさん。前に出てきて。」
パブロは、ルルベルを教壇に導いた。ミィアやシルビーと違って、パブロはルルベルと名乗る少女が学園の創立者と同一人物だと考えているようだ。
ルルベルについてパブロは、何かと調子に乗ってしまうという悪癖があるものの、愛嬌のある性格を愛される、非常に特殊な邪神だと語る。
「君たちも、ルルベルみたいに誰からも愛される、素敵な魔族になれるよう、勉強するんだぞ。そして、卒業の時には、みんなであのルルベル像に生肉を吊るすんだ!」
「はーい!」
「あたしの像にそんなことするなよ……。」
パブロの言葉に盛り上がる生徒たちと、不服そうなルルベルがいた。
上級: 昼休みのデスロード
「午前の授業はここまで。午後は視聴覚室で授業があるから、昼休みの間に移動を済ませておくように。」
パブロの声を皮切りに、生徒たちは教室の外に駆け出した。
つられて走り出す黒猫の魔法使い。廊下を走り続けると、前方にはどっかりと腰を下ろした職員のドボス・ズレツキーがいた。
「走るな走るなつってんのに……やれやれ。バカは死ななきゃなんとやらってか。」
そして、廊下の端には、パブロの亡骸が転がっていた(本日3回目)。
生徒たちが走っていたのは、売店の新商品「フェニックスブラッド」を買うためだった。パブロも、同じ理由で廊下を走っていたのだろうか。
封魔級: 魔界のエンジェル
午後の始業のベルが鳴り、教室のドアが音を立てる。そこに現れたのは……。
「誰ー!」
鳥のような顔に羽のような耳を付けた、面妖な怪物だった。
騒ぐ生徒たちの前に、その怪物・天使魔人ギブンはズタボロになったパブロを投げ捨てる。
「チチチチチ、先生は一足先に片付けさせてもらったぜぇ(本日4回目)。」
「先生ッ! ……はどうでもいいけど、あなた一体何の用ですか!?」
と、怒る天使のウリシラ。
そして、パブロのことは忘れ去られたままストーリーは進行する。
絶級: 黒薔薇のディシプリン
生徒会長のアリーサが置いていった黒薔薇により、ミィアが倒れてしまう。彼女を救うため、ルルベルはアリーサと対決することを決意する。最上級生のイーディス・キルティとカナメ・バルバロッサ、そして理事長のクルス・ドラクの援護により、ルルベルと黒猫の魔法使いは決闘場所である校舎の屋上に辿り着く。
「あなたの方のパートナーは誰? そちらも身代わりを用意するのが習わしよ。」
そう問うカナメに、アリーサは胸を張る。
「もちろんだ。アリーサの方はこいつだ!」
アリーサは力強く、指し示す。
「え? 俺?」
大量生産が可能な、天使魔人ギブンであった。その場を謎の沈黙が襲う。
(えぇー……釣り合ってないー……)
心の声でツッコミを入れるルルベルとカナメ。アリーサは力強く続ける。
「ついでにパブロ先生もつける!」
「えっ!」
「もうふたりには猛毒を盛っておいた。」
(通りで調子悪いと思った……)
そんなギブンとパブロであった。
「オーケー。状況は整ったようね。」
強引に話を進めるイーディス。そしてルルベルとアリーサの決闘が行われた。
戦いは、邪神の力を(一時的に)取り戻したルルベルの勝利に終わる。
ギブンとパブロがどうなったのかは、語られていない(本日5回目?)。
以下、聖サタニック女学院のハードモードにおけるネタバレを含みます。
PTA級: PTA登場
最近、生徒の間で、「PTA」と印が打たれた成績表がやり取りされている。聖サタニック女学院にはびこり、独自の情報網を作る怪しい集団「PTA」。
生徒たちが下校し静寂が訪れた校舎を、最上級生のイーディス・キルティとカナメ・バルバロッサ、そして理事長のクルス・ドラクは黒猫の魔法使いと共に、成績表を探し回る。その成績表の最も良いものがあれば、「PTA」に会えるのだという。
「やあ、よく来たね。」
成績表の裏に書かれていた場所に行くと、パブロが待っていた。いつもと変わらない爽やかな笑顔が、仮面のように、彼の顔にはあった。
「まさか君が『PTA』の黒幕だったとはね。」
「申し訳ありません、理事長。これは生徒と私と生徒の保護者だけの密かな企みなんですよ。あなたにも内緒にするしかなかったんですよ。」
まったく悪びれない様子のパブロ。
「戦争を起こすことが、密かな企み? 随分、簡単な言いようね。」
剣呑な雰囲気のカナメ。それを引き継ぐイーディスとクルス。パブロは目をぱちくりさせて驚いた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。戦争とか王侯会議とか、どうしてそんな大きな話になってるんだい? 僕には何のことだか……。」
「ふざけないで。『PTA』が魔界に騒乱を引き起こそうとしているのはわかっている。」
「僕が?」
「君の組織がだよ。」
「あの、『PTA』って僕個人のことですよ。ほら、僕の名前はパブロ・トマ・アダン。」
しばらくクルスたちは、お互いの顔を見合わせて、沈黙していた。考えているのは、このどうしようもない空気をどうするかである。
「いやあ、実はですね。我々教師と生徒の保護者との連携を深めようと思ったんです。で、細々と始めたんですが、生徒にも生徒の保護者にもなかなか好評なんですよ。」
そんなパブロの楽しげな言葉が、ますます気まずさを増していく。やがて、一行の中に何かが芽生えた。まあ、いいかという精神である。
「せっかくここまで来たんだし。」
「それがたとえ、間違いであっても。」
「まあ、いいんじゃないかな。」
クルスたちは各々戦いの構えを取る。
「えーと……僕の誤解は解かれましたよね……?」
困り顔のパブロに対して、イーディスは言う。
「そんなことはもうどうでもいいの。『PTA』覚悟しなさい。」
「パブロくん、これも仕事のうちだよ。」
かくして女学院に暗躍する「PTA」は始末された。
黒猫の魔法使いが、パブロの手を握り締める。
「せ、生徒たちには伝えてほしい。僕が死んでも、忘れてほしい、と。」
体を霧散させながら、最後の力を振り絞り、パブロは声を絞り出した。彼の手の感覚が、徐々に曖昧になっていく。黒猫の魔法使いはパブロに言う。先生、また明日、と。
「うん。また明日。」
そして、彼の手の感触は完全に消えた(本日5・6回目)。
尊い犠牲はこれで最後であってほしい。黒猫の魔法使いは、そう願いながら元の世界に帰って行った。
- 最終進化:L ザ・PTA パブロ・トマ・アダン
- 属性:火/闇
- 種族:魔族
- アンサースキル:ブラックミスト・ディフュージョン
7チェインで火属性の攻撃力をアップ、複属性が闇属性だとさらにアップ
- スペシャルスキル:<PTAスペシャル>
(ノーマル) <継続回復> MAXHPの50%を使い、3ターン味方全体を徐々に回復する
(レジェンドモード) <継続回復> MAXHPの50%を使い、5ターン味方全体を徐々に回復する
最終進化のLでは、メガネを外していつもとは雰囲気がガラリと変わる。いかにも悪役っぽいので、ストーリーを知らない人に対する目くらましとなっている。
精霊としてのパブロは火/闇属性だが、「PTA印の成績表」の潜在結晶を付けてPTA級に挑むと、闇の単属性で登場する。同様に、「大魔道杯 in 聖サタニック女学院」のイベントトーナメント絶級でも、闇の単属性で登場した。
ちなみに、「PTA印の成績表」の効果は、敵スキルの回復反転を無効化するものである。複属性に光・闇がない精霊にとっては、とても有益な潜在結晶である。
カード拡大「おはよう! 生徒諸君!」
自己紹介「パブロ・トマ・アダン。通称、PTAだ。誰もそうは呼ばないけどなぁ!」
戦闘開始1「いきなり壁にぶち当たったなぁ」
戦闘開始2「難問のお出ましだ!」
正解1「正解だ!」
正解2「ナイスチャレンジ!」
正解3「いいぞ!」
ダメージ「んあーっ!」
勝利1「すごいじゃないか」
勝利2「よくやった!」
レジェンド入り「生徒に手を出すな!」
SS1「これが僕の教育だ!」
SS2「先生の魂を味わえ! いっぱいあるぞ」
長期戦「実は、こんなに生き残ったのは初めてだ」
クリア「合格点だ!」
戦闘不能「何度でも甦るよ!」
ゲームオーバー「僕のことは……忘れてくれ」
コンティニュー「よし! 先生も付き合うぞ」
助っ人登場「生徒じゃないけど、守ってみせる!」
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すべて見る- 黒ウィズ小説一日勝負
全て見つけた者はなく
#黒ウィズ小説一日勝負 第14回テーマ「聖サタニック女学院」 今回は珍しくアイデアを全部丸投げ。 四人以上がいる場合の会話の書き方は今後の課題です。 追記(5/15) 魔法使いがサタ女に残っているという描写があったので削除。3,802文字pixiv小説作品