概要
薔薇十字騎士団”幹部にして、構成員の序列としては位階8=3。
結い上げた豊かな銀髪と白くきつめの端正な顔たち、グラマラスな肢体を持つ美女。
表の顔である旧オストマルク公国の伯爵夫人であり、外見は二十代頃の若々しい女性だが、実年齢は五十を過ぎていると思われる。
”氷の魔女”(アイス・ヘクセ)の異名を持ち、その名に違わぬ凍結系の技術を用いて戦う。
主な装備として、人造精霊「冬の乙女(ヴィンター・フラウ)」やれいとうビームを射出する「マクスウェルの魔杖」で武装している。
拠点として、かつての首都ヴィエナ上空に成層圏プラットフォームを改造した”魔女の塔”を持つ。
人物
原作では短編集的な作品群にあたるR.A.Mにのみ登場する。『R.A.M.』編においては特に後半のキーパーソンとして活躍する。
初登場時には、ブルノの小領主の貴婦人としてアベル達に接触し、ノリの軽いコギャル的なキャラクターとしてAxの前に現れ、異端審問に掛けられていたカテリーナの無罪の証拠となりうる情報である新教皇庁の潜むエストニアまで誘導した。
その後、Axを上手く利用してケンプファーとケンプファーと彼と行動を共にすることが多いディートリッヒを排除しようと目論むと共に、Axを壊滅させようと、主に配下であるノイマン三兄弟とともに暗躍する。
性格的には無慈悲な野心家だが、ノイマン三兄弟とは長い付き合いで、特にバルタザールとは深い信頼関係にある。
設定上の過去とプロットにおける末路
原作者の吉田直氏の急逝に伴い、彼女の過去は深く掘り下げられず。最終的な末路も描かれずに作品は終わってしまったが、どうやら最終的にはケンプファーに処分された模様。
かつては“塔”の発掘作業を指揮した女性研究者であり、ゲルマニクスの侵攻を受けた母国の滅亡後も“騎士団”の援助を受けて修復を続行し、自らの居城とした。
また、設定としても明らかになっていないが、原作内の描写から察するに、どうやらこの時期にバルタザールと出会った様であり、当時は吸血鬼として野心もなく、未来への展望も持たずに枯れ果てた余生を送っていたバルタザールの前に現れ、その野心家な性格を気にいり、彼女の忠実な部下となった。
名前の元ネタは中世のドイツの詩人ヴァルター・フォン・デァ・フォーゲルヴァイデ(Walther von der Vogelweide)かと思われる。Thores柴本先生のイラスト集のあとがきによれば、髪型は担当さんの前で自分でツッコミを入れながらラフ画を描いている最中に決まったらしい(Thores柴本『Thores柴本 トリニティ・ブラッド画集 fabrica theologiae』角川書店、2005年、254ページ)。