概要
2016年4号から2021年8号まで連載され、話数は全87話。単行本は全11巻。
現在は外伝が不定期で連載中。
ペリリューの戦いの史実を参考にしつつ、フィクションを交えて構成される。
南洋の楽園ペリリュー島を舞台として、三頭身の愛らしい姿をした登場人物たちが、戦地で生き残るために奮闘する姿を描く。
戦争漫画なため凄惨な描写が非常に多く、愛らしい絵柄でなければ読むのをやめてたという読者もいるほど。
戦争漫画としては異例の80万部の売り上げを出し、著名人からも評価が高い。
第25回手塚治虫文化賞漫画賞ノミネート。
第46回日本漫画家協会賞優秀賞受賞。
「このマンガがすごい!!2022オトコ編」第9位。
登場人物
・田丸均
「こんなのあんまりだ みんなかわいそう」
今作の主人公。21歳。階級は一等兵。
性格はいたって温厚。とても優しく仲間思い。争いとは無縁な人格をしている。
特に頭が良い訳でも要領が良い訳でもなく、むしろ切羽詰まった状況でも違うことを考えてしまうなど、鈍臭い部分も目立つ普通の人。
しかし幼い頃から絵を描くの好きで、もはや癖の域に達しており戦時中でも暇さえあれば描くのをやめない。
将来は漫画家になるのが夢で、兵士になる前は自身が描いた漫画が雑誌に載ったこともあったという。それ故に島田から、兵士の最後を遺族に伝える功績係に任命される。
幼い頃から培った画力はかなりのもので、仲間たちに女性の裸体をお願いされることもある。また絵描き故の観察眼もそれなりにあり、人の細かな仕草から疲労を読み取ったり、星の位置から場所を把握したりもしている。
外伝に描かれた描写を見るに、軍人とはかけ離れた田丸の人柄は、吉敷の精神的な拠り所になっていた部分をあった模様。
・吉敷佳助
「生き残ろうぜ俺ら 生きて日本に帰ろうぜ 絶対」
今作の準主人公的存在。21歳。階級は上等兵。
田丸と同期だが、優秀だったため1人だけ上等兵に採用される。
当初は日本兵として戦うことにヒーローのような感覚を持っており、米兵を殺すことにも迷いはなかったが、最初の戦いで敵側にも帰りを待っている人がいることを痛感することになる。
若くして上等兵になった実力は伊達ではなく、的確な状況判断力、異変を察知する感の良さ、確実に敵を仕留める高い技量、群れを率いるリーダーシップも持つ。
ぶっちゃけ作品が違えば主人公を張れるスペックの持ち主。しかし田丸同様、優しく仲間想いなため性格が殺し合いに向いてない。
最初の戦い以降は田丸と行動をすることが多くなり、のちに親友となる。
・島田洋平
「お前のその性質を見込んで ひとつ仕事を頼みたいのだ」
22歳。階級は少尉。
軍人一家に生まれた根っからの軍人。
非常に仲間思いで、死んでいった者たちを想いながら生きる。
優秀な判断力と部下想いなところから周りの尊敬を集め、高いカリスマ性で生き残った者たちを導いていく。
人格も含めて間違いないなく傑物であるが、良くも悪くも軍人としての価値観が強く、生きて勝利を掴むことを信条とする。
・小杉
「でも 正直ホッとしてますわ 出来りゃ特攻なんてマネはしたくないんで」
階級は伍長。
飄々としており何を考えているのか分からない、怪しさ満点の男。
とにかく自分が生き残るために行動しており、団体行動が原則である軍隊から離れ、一人で行動することが多い。
・片倉憲伸
「正直に答えろ 何人米兵を撃ち殺した?」
階級は兵長。
表情をほとんど変えない、吉敷曰く「なんか怖ぇ」人。
高い戦闘力を誇りリーダーシップもあるが、命よりも職務を遂行することを第一としており、味方にも容赦がない。
重症を負った兵士に自殺を命令したり、殺した死体の陵辱も平然と行うなど過激な行動が目立つ。
・泉康市
「うん 思わないかな むしろ帰りたくない」
田丸と同期で、階級は一等兵。
優しく献身的だが、凄惨な戦闘の後を見ても物動じないなど、冷静で肝が座っているところもある。
島田に崇拝に近い感情を向ける。
なぜか故郷の日本に帰りたくないらしい。
・小山
「君は…俺らがこの島から生きて帰れると思ってるのかい?」
田丸と同期で階級は一等兵。
田丸が軍に入って初めてできた友達。よく田丸をからかって一緒に行動している。
軍人として勇猛に戦って死んだ父親を尊敬しており、自分もその様になりたいと思っている。
だが、スコールが降ったあとの地面に足を滑らせ転倒し、そばにあった岩に頭をぶつけ死亡してしまう。
彼の死は島田に命じられた田丸により、勇猛に戦ったとされ遺族に伝わる。