概要
『シグナル100』(シグナルひゃく)は、宮月新原作、近藤しぐれ作画による日本の漫画であり、学級崩壊したクラスの生徒たちが担任教師によって特定の行為をすると自殺するよう、後催眠暗示をかけられたことで、生き残りをかけて極限状態に陥っていくサスペンス作品。また、宮月の代表作にあたる作品である。『ヤングアニマル』(白泉社)にて、2015年No.15から2016年No.20まで連載された。単行本は全4巻(白泉社ヤングアニマルコミックス)。連載終了後、スピンオフ『シグナル100 零』が制作された。
2020年に実写映画化。主演は、橋本環奈。
あらすじ
私立聖新高等学校の2年C組は、ある日、視聴覚室で行われた授業の際に見せられた謎の映像と音声によって自殺暗示催眠にかけられてしまう。
催眠発動の『シグナル』は全部で100。泣く、立つ、座る、水を飲む、当たり前の行動までもが死につながる状況の中でのデスゲームが始まってしまう。
登場人物
主人公。眼鏡をかけた少女で、クラスメイトや下部ら教師を冷めた目線で見ている。井沢曰く、2年C組三大美人の一人。クラス内では友達がいないが、同じクラスメイトの榊に信頼と好意を寄せている。体育教師の岩崎の性的暴行から榊に助けられるも、彼が停学処分になる遠因になったことを悔やんでいる。
実写映画版では明るい性格となっている一方、眼鏡をかけていない。バドミントン部に所属している。法学部志望。
- 榊蒼汰(演:小関裕太)
もう一人の主人公。正真正銘の優等生で、勉強、運動、腕っ節全てにおいて学年で1位。樫村が岩崎に襲われていたところを発見し、岩崎を半殺しにしたことで停学処分となった。そのため、下部の後催眠を逃れている。
学校から呼び出されており登校したところ、樫村に助けを求められたため、和田に代わるもう一人のリーダーとしてクラスを引っ張る。
実写映画版ではサッカー部に所属。
- 和田隼(演:瀬戸利樹)
クラス一の問題児に当たる不良生徒。クラスの中心人物として、下部を執拗にイジメていた。榊が停学になった途端、「和田グループ」を作り上げて新たなクラスのリーダーとして君臨。外見に反して学級崩壊を引き起こした。
榊に次ぐ学力と運動神経を誇る秀才でもあり、催眠を掛けられた直後も危機を打破するために行動を起こす等、かなり度胸やカリスマ性がある。その一方で、一部の暗示しか教えない等、実際は自分の利益しか考えていない。樫村曰く、榊とは光と影のような存在。実は親を早くに亡くしており、3人の幼い妹弟を育てている。
実写映画版ではクラスメイト達から距離を置く生徒に変更されているため、不良生徒の一面はない。しかし、学力と運動神経、度胸、カリスマ性は原作通りである。
- 下部(演:中村獅童)
学級崩壊した2年C組の担任。和田ら不良たちには土下座を強要されるなどイジメられており、生徒たちからは「下僕」と呼ばれている。
言うことを聞かない生徒たちに復讐する機会をうかがっており、日常的な行動の一部を禁止行動とし、それらを実行した者は暗示が発動して自殺するという「後催眠」を榊以外の2年C組全生徒に掛ける。催眠を解くための「解催眠」の合図は「クラスメイト全員の死を見届けること」。
以前はアメリカの有名な心理学研究室にいた実績を持っており、校長からはその実績を買われて雇用された経緯がある。
実写映画版ではいじめられた経緯が無いものの、普段は友好的な人柄を取り繕っているが裏の顔は完全なサイコパスという人物に変わっている。