マルジャーナは『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の中の話の一つ『アリババと40人の盗賊』の登場人物。アリババの兄・カシムが所有する屋敷の奴隷娘にして、主人公であるアリババの命の恩人。
マルジャーナ(مَرْجَانَة, marjānah ないしは marjāna)は日本語カタカナ表記でしばしばモルジアナと当て字がされているムルジャーナ(口語発音はモルジャーナ)の発音違いで、全く同じ人名を指す。
「(1粒の小さな)真珠(の粒)」「(1個の小さな)珊瑚(のかけら)」を意味するアラビア語名詞で、元はペルシア語、ギリシア語など近隣地域の言語からの輸入語だったとされている。
アラビア語辞書ではムルジャーナ(モルジアナ)ではなくこのマルジャーナの方が標準発音として扱われているのが一般的。
かつてアラブ・イスラーム世界では奴隷を宝石・珊瑚・真珠・花などの名で呼ぶ風習があり、このマルジャーナ、モルジャーナ(モルジアナ)も奴隷・使用人女性や奴隷の歌姫の典型的ネームの一つだった。
マルジャーナ(ムルジャーナ、モルジャーナ、モルジアナ)は『アリババと40人の盗賊』の登場人物だが、このアリババの話自体は『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の原本には含まれておらずアントワーヌ・ガランによる創作だとの説もある。しかしながら現代では『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の説話の一つだと扱われることが多く、マルジャーナ(ムルジャーナ、モルジャーナ、モルジアナ)もその登場人物の一人だとみなされるなどしている。
『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)におけるモルジアナと彼女が登場する物語のあらすじ、ならびに同名の名前を持つキャラクターについては『モルジアナ』の記事を参照。