概要
正確な生年は明らかでないが、1970年前後にインドで生まれ育った。
子ゾウの頃、密猟者に母親を殺されて呆然としていたところを保護されたという。
生後半年ほどの1970年、当時のインド政府から大阪万博の記念として寄贈された。
名前はヒンディー語の「女王」を表す「ラニー」と万博からとった「博子」を合わせてつけられた。
天王寺動物園にはかなり歳の離れた先輩ゾウの「百合子」と「春子」がおり、博子は群れで育ってこなかったためゾウ社会の振る舞いを学べていなかったところがあり、彼女達との関係には苦労していたようである。
春子の方も彼女にイケズをしたこともあり、数十年の成長後当時の恨みを忘れていなかった博子は百合子を堀に突き落としたこともあり、春子と盛んに喧嘩をするようになったという。
当然彼女達を一緒の檻にすることはできなくなっていたが、バックヤードでも檻越しに糞を投げ合うなど激しいバトルが続き、ニュースでも話題になった。
また博子は元々の気性も荒く神経質で、ゾウに慣れた他園の飼育員や外国の象使いもドン引くほどであった。
その性格もあってか縁談もまとまらず子供を残すことはできなかった。
しかし寂しがり屋で賢い面もあったといい、険悪だった春子が死んだ時は大人しく見守っていたエピソードもある。
先輩ゾウたちが高齢で他界した後は穏やかに過ごし、大好きな水遊びをしたり季節ごとの園内イベントで多くの人に親しまれた。
2018年に入り、国内4番目に高齢のゾウになっていた彼女は体調の衰えが激しくなり、同年1月25日に死亡。
推定48歳であった。