概要
鞍馬山の烏天狗であり、道場長を務める。口調は堅く、自分にも他人にも厳しい態度をとるが、実は愛情の裏返しでもあることが小説「神様はじめました 鞍馬山夜話」で明かされた。
プロフィール
単行本9巻にて初登場。
京都・左京区の鞍馬山の裏鞍馬(烏天狗が住まう場所)で生活している男性の烏天狗である。
年齢は明かされていないが、小説版では推定30歳以上であることが分かる。
同じ烏天狗の翠郎と同い年である。
鞍馬山の3代目僧正坊に憧れと尊敬をもち、僧正坊が病に伏せた事で次期僧正坊になろうと目論んでいた。
人物
自分にも他人にも厳しく、初登場時では亡くなった親猪のそばにいた子猪を育てようとした橙丸に対し、
「弱いやつはすぐに死ぬ」「死にたくなければ強くなれ」
と言い放ち、橙丸の抱えていた子猪を殺してしまう。
のちに主人公の桃園奈々生に出会い一目惚れする。
しかし裏鞍馬は女人禁制であるため出会い頭の第一声は「何者だ」であった。
10巻ネタバレ
僧正坊は病気にかかっていたのではなく、魂を抜かれた状態であった。桃園奈々生や、子天狗の牡丹丸は二郎がやったと考えていたが、実際は上下関係が厳しい鞍馬天狗を兵にすべく、二郎を次期僧正坊にして兵を手に入れるために夜鳥が謀ったことであったため、二郎は知らなかった。
抜かれた魂を探し、雷を操る化け物「雷獣」のもとへと向かう奈々生に雷獣によって翼を失った天狗(翠郎)の話をし、雷獣のいる深い穴に近づけないようにした。
しかし、奈々生が穴に入ったことによって雷獣に狙われてしまい、雷に打たれるところで二郎が奈々生を庇い重傷を負う。
「惚れた女に目の前で死なれてはたまらなかった。それだけだ。」
巴衛よりも先に奈々生に告白した人物である。
のちに全快しもう一度奈々生に告白するが振られる。
しかし本人は奈々生の幸せを願い、失恋を受け入れた。
小説版での活躍(ネタバレを含む)
小説「神様はじめました 鞍馬山夜話」では、主人公桃園奈々生に出会う前のお話が収録されている。
二郎に血の繋がった兄「一郎」がいたが、雷獣によって殺されたことが判明。殺された恨みを原動力に修行を重ねていた。
加えて、同年の翠郎とは年齢は一緒であるものの翠郎よりも5ヶ月遅く生まれていた事もわかる。
(翠郎の誕生日は10月7日であるため、二郎の誕生日は3月が誕生月)
小説内では、二郎が己と他者に厳しくするのは
「兄の一郎と同じような末路を辿るなら修行を投げ出して人間の世界で暮らした方が良い」という考え方と、
「井の中の蛙で終わりたくない」という考えがあったから。
余談
小説では、漫画9巻で殺した子猪の墓に花を供えている二郎が書かれている。
公式ファンブックの相関図では、奈々生と二郎の関係は「失恋済み」と書かれている