概要
濱岡稔による青春学園ミステリー小説。幻冬舎より2013年7月に刊行。
カバーイラスト・挿画担当は、ぶーた。
帯のキャッチコピーは“イカロスの翼に誘われ、少女は「秘密」に恋をする”。学園内で発生したタロットカード事件の謎に、ミュウとアリ子(ス)の一年生コンビが挑む。前編に横溢する友情百合な雰囲気とマンガ・アニメ・SF・ミステリー・タロット・幻想文学など、マシンガンのように投下される小ネタが特徴。
あらすじ
県立美咲ノ杜高校2-Fで、ある生徒の机に赤く染められた“死神”のタロットカードがしかけられるという事件が発生。犯人として告発された先輩の無実を信じるアリ子は、親友ミュウとともに奔走するが、その過程で悲しい過去の事件が浮かび上がる。さらには、第二、第三の事件が発生し事態が混迷を深める中、ミュウはアリ子に宣言する。「すべてを終わらせるよ、アリ子。魔法名は“イカロスの翼”だ」
登場人物
登場人物の苗字の多くは、ウルトラ特撮関係者にちなんでいる。
本多小羽子(ほんださわこ=アリ子)
本編の語り手。平均平凡な優等生を自認する少女。立ち入り禁止の旧用務室(ヨウム室)で出会った少女ミュウと親友になる。抜群の記憶力と瞬発的な行動力を持つ。苗字の由来は、本多猪四郎と思われる。
天坂深雪(てんさかみゆき=ミュウ)
ヨウム室の管理人を自称する謎の少女。ほとんど授業に出なかったため1年留年している(現在は、アリ子に諭され、留年しない程度に出席している)。高校生離れした知識と洞察力の持ち主。他人と関わるのを嫌うが、アリ子は唯一心を許す存在。
上原佐希(うえはらさき)
2-A生徒。アリ子の中学時代からの先輩。タロット事件の犯人として告発される。苗字の由来は、上原正三と思われる。
満田穂波(みつたほなみ)
2-F生徒。机に“死神”のカードをしかけられる。苗字の由来は、満田かずほと思われる。
日奈邑六花(ひなむらりっか)
2-F生徒。最初の事件現場にいた生徒のひとり。成績優秀な黒髪の美少女。クラスメイトからは、ヒナと呼ばれることが多い。
桜井桂衣子(さくらいけいこ)
2-F生徒。クラス委員。お団子ヘアとメガネがトレードマーク。ニックネームはおケイだが、密かにロッテンマイヤーさんと呼ばれる。苗字の由来は、桜井浩子と思われる。
武藤紗菜絵(むとうさなえ)
2-F生徒。地元で知られる医者一家の娘。まじめな性格の勉強家。苗字の由来は、武藤兵吉(石坂浩二)と思われる。
金城怜唯(きんじょうれい)
上原佐希が、一年生のとき屋上で出会った不思議な少女。苗字の由来は、金城哲夫と思われる。
若槻叶夢(わかつきかなめ)
上原佐希が美術部で出会い、友だちになった少女。苗字の由来は、若槻文三と思われる。