プロフィール
概要
「力の絶対信仰」を掲げるチーム「獅子頭連」の副頭取。
後ろ髪を三つ編みにし、普段は大きめの丸い色付きサングラスをかけている。
仲間であろうと喧嘩に負けたら殴り飛ばし、獅子頭連のスカジャンを剝ぎ取ることもある。
過去
※この記事には単行本3巻、アニメ7話以降のネタバレが含まれます。
泥を被ると決めた 太陽がまた顔を出すまで
はっきりとした時期は明言されていないが、兎耳山丁子とおおよそ同時期に獅子頭連に加入※1しており、回想では兎耳山の一歩後ろで行動をともにしている様子が多く見受けられる。二人だけでzincへ乗り込み全滅させるなど、兎耳山と共に早くから頭角を表し、当時からチーム内で話題となっていた。原作17話で梅宮も「昔から獅子頭連の中では十亀と兎耳山は頭抜けていた」と評している。
もともとは人といることを苦手としていたが、兎耳山と共に居ることで人の輪に入れる※2ようになった。自由人で人の話を聞かない兎耳山との橋渡し的な役割を周りに求められることもあり、兎耳山の存在を通して人と関わるようになる中で「楽しかった 自由になれた気がした」と感じていた。
兎耳山は「亀ちゃんとどっちが先に頭取になれるか競争している」と公言していたものの、十亀自身にそのつもりは無かった。十亀にとって兎耳山は、獅子頭連の信仰※3の意味をそのまま体現している太陽のような存在であり、そんな兎耳山が頭取になればチームはもっと良くなると思っていた。
しかし、頭取となった兎耳山は「頭取になったのに全然楽しくない」と言った。楽しくなるためにはチーム全体を自分と同じくらい強くすれば良い、とどこか虚ろな目で話す兎耳山の様子に戸惑いながらも、十亀は兎耳山の言葉を「皆を鍛える」という意味だと解釈した。
しかし、兎耳山の本意はチームから弱者を排斥することだった。zincの人間に襲われて逃げ戻ってきたメンバーを更に蹴り飛ばし、獅子頭連のスカジャンを剥ぎ取った兎耳山は、「弱いヤツは獅子頭連にはいらない」と笑った。兎耳山の凶行に愕然としながらも反論しようとする十亀だったが、十亀の言葉ですら意に介さない兎耳山の様子に説得を諦めてしまう。
十亀が恐れたのは、横暴とも言える方針転換を決めた兎耳山がチームの皆を傷つけ、嫌われてしまうことだった。十亀の抱いていた理想は、兎耳山が皆に愛されて、自分がそれを担ぐこと。それには兎耳山が笑顔で過ごすこと、周りに愛されることが不可欠だった。自らの抱く理想が崩れるのを許せなかった十亀は、間違いであることを分かっていながらも兎耳山の言葉を受け入れてしまう。同時に、皮(獅子頭連のスカジャン)を剥ぐ役割を自分が担うことで、兎耳山に負の感情が向けられることを避けようとした。
これ以降、十亀は髪の毛を三つ編みにし、サングラスを掛け、スカジャンの下に作務衣を着るようになるなど服装に変化が見られ、原作・アニメの描写から「泥を被る」という覚悟の現れであると考えられる。また、仲間に対しても暴力を振るう、不気味な笑い方をする、弱者に対し乱暴な扱いをするなど、桜に「クズ」と評されたような行動は回想では見られないことから、「泥を被る」という決意に伴って自らの振る舞いを大きく変えた可能性が大きい。
※1…アニメでは祭りで屋台のバイトをしていた十亀が、絡んできたと考えられる獅子頭連の構成員複数人を一人で伸したところを、自らも加入したばかりだった兎耳山が目にし、半ば押し切るような形で獅子頭連に引き入れた、という補完がされている。
※2…回想で主に行動をともにしていた仲間の中には、鹿沼や有馬の姿も描かれている。
※3…獅子頭連が掲げる『力の絶対信仰』のこと。力は自由になるためのものであるとし、誰にも屈することなく自分を押し通す誓いの意味も持つ。