概要
アメリカ海軍がかつて保有していた、原子力ミサイル巡洋艦。その名を持つ艦としては4隻目。当初、嚮導ミサイルフリゲートとして計画されたが、1975年にミサイル巡洋艦へ改められた。
本艦は、リーヒ級ミサイル巡洋艦の主機を原子炉に変更した艦で、海軍が運用する艦艇の中で原子力機関を使用する最小の艦であった。つまり、本艦はリーヒ級の準同型艦と見てもよい。
艦歴
1963年2月までにカリブ海で慣熟航海を行い、翌年、原子力空母「エンタープライズ」、原子力ミサイル巡洋艦「ロングビーチ」らと第1原子力機動部隊を編成し、7月31日からシー・オービット作戦に従事した。1965年10月、ベインブリッジは第7艦隊のミサイル巡洋艦として11回目の航海で再び西太平洋から喜望峰をまわった。関係が悪化したベトナム近海に配置され、多数の作戦に従事した(ベトナム戦争)。ベインブリッジはレーダーピケット艦として航空母艦の前衛を担当し、捜索・救出作戦を行った。
1967年から1968年にかけてベインブリッジはオーバーホール(解体検査)と最初の核燃料補給を実施した。1973年11月から極東での7回目の航海を行い、インド洋を通過してアラビア海まで入った。1983年から1985年までベインブリッジは最後の核燃料を補給するオーバーホールを行い、スタンダードミサイルやCIWSなどの火器が増設された。その後、太平洋を去って、大西洋艦隊に編入され、パナマ運河を通過した。1986年から1987年までのカリブ海における麻薬密輸のパトロールを手始めに、1988年から1989年に紅海、ペルシャ湾で作戦行動に従事、1991年から1992年、地中海リビア沖で攻撃作戦に従事した。
1994年、大西洋艦隊の海上部隊旗艦となったが、その任務を最後に1995年10月、予備役の保管船としてモスボール状態となり、1996年9月に退役した。
1997年にベインブリッジはワシントン州ブレマートンのピュージェット・サウンド海軍造船所の乾ドックに入り、10月に原子力艦再利用プログラムに基づき解体された。