概要
当初ミサイルフリゲートとして分類されたが、1975年のフリゲートの分類変更でミサイル巡洋艦に再分類された。これにより、本級は、アメリカ海軍史上最小のミサイル巡洋艦となった。
開発に当たっては、アメリカ海軍初の嚮導駆逐艦であった「ノーフォーク」を発展させた設計と、まったく新しい長船首楼船型の設計が検討されたが、コストと安定性が評価されて、後者の設計が採用された。艦首側のMk.10 GMLSを波浪から守るため、艦首にはハリケーン・バウ構造が採用され、顕著なナックルが設けられている。主機関は、第1世代DLGであるファラガット級のものが踏襲された。同級においては、ミッチャー級以来の蒸気圧力1,200psi(84 kgf/cm²)、温度510℃の高圧高温ボイラー(いわゆるTwelve Hundred Pounder)が踏襲されていた。また蒸気タービンとしても、高・中圧タービンと低圧・後進タービンの2車室を備えた2胴式・2段減速のギヤード・タービンが引き続き採用された。
武装
本級は、機動部隊の一員として、対空・対水上・対潜の任務を遂行できる多任務艦として開発された。また本級は、アメリカ海軍のフリゲートとしては唯一、対水上打撃戦任務の艦砲をもたない艦級であった。防空火力としてテリア・システムを装備している。その発射機であるMk.10 GMLSは艦の前後に2基が配置されているが、このようなダブル・エンダーの武装配置は、本級で初めて採用されたものであった。発射機の背後には、それぞれ主甲板下に4層分の高さを確保して、3シリンダー(各20発)式の発射システムが設けられた。4層のうち、最上層が組立・装填区画、下3層が弾庫とされており、弾庫から上層に輸送されたミサイルは組立・装填区画でフィンの装着など最終組立措置を受けたうえで、ミサイル発射機のレールに向けて送り出される。
1967年から1972年にかけて、全艦が海軍戦術情報システム(NTDS)を搭載したが、当時のコンピュータはかなり大型であり、艦の主要部がこれらの電子機器によって占拠されることになってしまった。
改修
本級の全ての艦は、1980年末にNTU改修を受けることとなった。
艦の近代化は1967年から72年にかけて行われ、防空能力の向上が図られた。ほとんどの艦がバス鉄工所で改修されたが、リーヒはフィラデルフィア海軍造船所で改修され、その費用は3,610万ドルに上った。改修の費用は高価なものであったが、改修後はそれほど長く任務に就くことはなかった。