概要
同型艦は4隻で、艦名は、前級と同じアメリカの州名。本級は、アメリカ海軍が新規に設計・建造した2艦級目の原子力推進の誘導ミサイルフリゲートであり、原子力推進の戦闘艦としては5艦級目に当たる。
アメリカ海軍は、従来より使用されてきたターター・システムを全面的に改良し、海軍戦術情報システム(NTDS)との連接に対応した新しい防空システムとしてターター-D・システムを開発し、カリフォルニア級原子力嚮導ミサイル・フリゲートに搭載した。しかし、同級においては、発射機は従来通りのMk13が使用され、また、システム統合にかなりの困難を経ることとなった。本級は、その経験を踏まえて、システム工学的なアプローチをより大胆に導入して開発されたほか、新型のMk26連装発射機が採用された。さらに、本級の建造中より就役を開始した新型のスタンダードSM-2ミサイルにも対応するように改良された。これにより、本級は極めて強力な防空能力を具備することとなり、また、その防空システムは、同時期に建造されていたスプルーアンス級駆逐艦とともに、イージスシステム登場前夜にあって、統合戦闘システムの嚆矢となり、のちには、ほとんど同一の構成でキッド級ミサイル駆逐艦にも搭載された。本級とキッド級ミサイル駆逐艦は、1980年代末より本級はNTU改修の対象となり、武器管制システムの換装などにより、限定的ながらも同時多目標対処を可能とするなど、その性能はさらに強化された。
原子力推進で燃料を必要としない為、航行距離に制限がなく、またNTU改修されたターター-D・システムを搭載することから、非イージス艦としては極めて強力な戦闘能力を備えていた。しかし、その性能はイージス艦には及ばず、また、原子炉の保守管理のコストもかかることから、冷戦の終結と共に全艦が退役することとなった。