カリフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦
かりふぉるにあきゅうげんしりょくみさいるじゅんようかん
同型艦は2隻で、艦名はかつて、戦艦で使われたアメリカの州名から来ている。1番艦はカリフォルニア、2番艦はサウスカロライナ。本級は、アメリカ海軍が初めて新規に設計した原子力推進のミサイルフリゲートであり、1番艦は、アメリカ海軍の原子力推進巡洋艦としては4番目に当たる。その兵器システムの中核として新開発の艦隊防空システムである、ターター-D・システムを初めて搭載しており、「原子力空母機動部隊の防空中枢艦」と期待された。アメリカ海軍はこのとき、原子力推進のミサイルフリゲートとして、「ベインブリッジ」、「トラクスタン」を運用していたが、これらは既存の嚮導ミサイルフリゲートを元にした改設計艦であり、運用面で若干の問題があった。また、これらが搭載するテリア/ターター・システムはアナログ式であり、海軍戦術情報システムとの統合も不十分で、処理能力に問題があった。
その打開策として、タイフォン・システムの開発を1958年より開始していたが、これは技術面・コスト面の問題を解決できず、1964年にキャンセルされた。このコンセプトを引き継いだASMS(後のイージス)計画は実現に時間を要することから、漸進的な性能向上を狙って、1965年より、初の統合武器システムとして開発開始されたのがターター-D・システムである。その初の搭載艦として建造されたのが本級であった。本級は、バージニア級、および先行する原子力推進の戦闘艦とともに、原子力空母の直衛艦として活躍することとなった。また、イージスシステムの実用化までの間、最有力の防空戦闘システムであるターター-D・システム搭載艦として、バージニア級、通常推進のキッド級ミサイル駆逐艦とともに艦隊防空の中枢艦となった。