概要
カギカッコの前に発言者の名前が出る文章の書き方を指す。
重言になるがどの台詞が誰の発言かわからないことをなくすことができるのが利点である。
ただ、それは地の文で表すことが可能なため、その技術があまりない初心者が使う書き方に多く見られる。
ノベルゲームもバックログをみれば実質台本形式といえるだろう。
だが、決して利点が上記にあるものだけではない。普通、人は誰かと会話する時、一々人の名前を口には出さない。それは心の中の言葉、心内語も同一である。一人称である時、リアリティを求めるならば、「」の前に台詞を書くのは必ずしもマイナスではない。
また、プリキュアオールスターズや、僕のヒーローアカデミアなど、大量の人が会話可能な状態の場となると、地の文で全て説明するとかなり大変である。その説明を読者の混乱なしに、かつ話の流れをスムーズにするならば、むしろ「」の前の台詞はプラス要素となる可能性が高い。
もちろん、多くの作品は一度に登場するキャラクターが多い場面はそうそうないので、その場合は「」の前の台詞は必要ないうえ、あれば邪魔になる。
小説の作者は、このメリットデメリットを吟味した上で「」の前に台詞をつけるかつけないかを決めてほしい。
ただ、台本形式は必ずしも本物の台本の書き方への近づけを徹底するという訳ではない。
台本形式は台本書きとも呼ばれる。
台本形式小説は台本小説とも呼ばれる。
余談
アンチが多い表現方法である。
卒業を前提としたWebサイトやなぜ嫌われるのかと嫌われている前提のwebサイトもある。
ただし、高い評価を得ている台本形式の作品も存在する。
カギカッコの前の発言者名を一文字目のみ記載する表現方法は、特にアンチが多い。
理由の一つとして、台本形式の利点「誰の発言かわからないことをなくすことができる」を大きく損なっている事が上げられる。
当たり前の事だが、台本形式という理由で作品・作者・読者を攻撃してはならない。
また、一部の人にとってはこういう考え方の人もいる。台本というのは、セリフの前に名前を書くのに加えて、心情描写も情景描写も全くないもの。だから、セリフの前に名前を書くだけなら台本形式とは言わない、と。
大半の人がセリフの前に名前を書く形式だと思っているが、上記のように思っている人がいるのも事実である。それにその言い分も理解は可能である。定義をきちんと定める必要がある。