概要
pixivユーザーの絵師・江戸塚カナヒ氏が2012年4月から、pixivに投稿しているイラストシリーズ。2024年8月にこれらのイラストを元にした漫画版が投稿された。
遠未来の和風SFの世界が舞台の、都市の絵が中心。屋根や看板などに、和風の要素があるが、高さ数百mはあるような巨大建造物が立ち並ぶ立体都市が多く描かれている。
中には高さ千mを超えるような超巨大建築物もあり、その内部は巨大な空間になっていて、その中にも街が造られているドーム型都市になっている。また建築物の屋上にもまた建築物があり、街の上に街があるという、奇妙な都市風景もある。
現代技術で到底作れない都市であるが、完全な機械都市ではなく、各所に街路樹や庭園があり、自然共存型の都市にもなっている。
漫画版では建築物の屋上に、山がある光景という、現実世界とは真逆の姿も描かれた。形や大きさが山のようという比喩ではなく、文字通り緑に覆われた円錐形の神山が、建物の上にある。
これを登る人間がかなり疲れている様子から、相当な標高であることが考えられるため、この建築物の常識外の巨大さが判る。
描かれている住人は皆和装であり、洋装の者は一人もいない。また人間(和人)の他に、機人・獣人などの異種族も描かれている。
設定
- 国球(こくきゅう)
シリーズの舞台となる惑星。惑星全土を一つの文明が統治しており、その力の象徴となる二十の都市が存在する。
- 和の都市(わのとし)
国球の二十の都市の一つ。漫画版の描写だと、雲を突き抜けるような高さと、広大な面積を持つ、巨大な台地の上に建てられている。都市は十二の区画に分かれており、一つの区画は扇のような形で、それが円を描くように隣接している。
宇宙から見ても、その全形がはっきり判るほどの巨大な台地で、目測だと総面積はオーストラリア大陸の半分ぐらいと思われる。(もっともこの惑星の大きさが、地球と同じぐらいかは不明であるが)
- 機人(きびと)
和の都市に住まう三種の生命体の一つ。機械の体を持ち、和の都市に生きる人々を支えし者たち。ボールや器物のような形状のものに、デフォルメされた顔と、短い手足がついた、玩具のロボットのような姿をしている。
- 獣人(けものびと)
和の都市に住まう三種の生命体の一つ。獣の体を持ち、和の都市に生きる人々を癒す者たち。
- 和人(わびと)
和の都市に住まう三種の生命体の一つ。強靭な体を持ち、和の都市に生きる人々を守る者たち。外見は地球人と全く同じであり、シリーズの中でも描かれた人数が最も多い。
- 龍神列車(りゅうじんれっしゃ)
和の都市内を行き来する大型の乗り物。連結型の航空機で、大勢の人を乗せて和の都市の各区域を輸送する。
名前からすると空飛ぶ汽車・電車を想像しそうだが、漫画版で描かれた姿は、龍に似てなくもない異形の怪物のような姿で描かれていた。
- 都シ神
和の都市の管理者。和の都市の十二の区画に一人ずつおり、詳細不明の零ノ区も含めれば十三人いる。
漫画版で零ノ区の管理者のヒノモトが登場。シリーズの絵には怪鳥のような姿をした“アマテラス”と、若い和人の女性の姿をした“サクヤヒメ”が登場。サクヤヒメは漫画版にも、名前だけで出ている。
- 災華(さいか)
漫画版に登場する敵勢力。国球の外から飛来する外来生命体。理由は不明だが都シ神抹殺のため、和の都市の各地を襲撃。街一つを崩壊させた上に、殺人も躊躇わない残忍な性格。