あなたにも、夜の美しさを知ってほしい・・・そういったところかしらね
概要
笹鳴町を縄張りとする誇り高き純血種の吸血鬼。
笹鳴学園の高等部に所属し、美貌と上品な物腰から学園のアイドルとなっており、当初は王族の血に興味を持って姫（リリアーヌ）を狙ったが、その一件より親しくなり、キニスキー公との対立で吸血鬼社会を追放され住処の廃教会を失ったことでリリアーヌの食客の一人となる。かつて自らを破った姫には一目置いているが、食客となった後も意外に裏切る。
コウモリの群れに分離してかく乱したり土地の情報を収集したり、空を飛ぶことで遠くの偵察を行うなどリザに比べると理知的なタイプだが、剣を片足で受け止めたり背後から一捻りで首を捻じ切るなど戦闘力も高く、血を吸った相手を下僕として使役することもできる。
忠誠を優先する人狼族と異なり、元々プライドの高い吸血鬼という種族であるため、分が悪い時には姫を見捨てる。吸血鬼でありながら姫に忠誠を誓うこと自体、令裡が変わっているだけなのだが、命の危機を感じた場合には自身の身を優先してしまうところがあり、吸血鬼を食客に迎えた時点で姫もこのことを重々承知している。よって見捨てた場合も特にお咎めはない。
とは言え、基本的に姫や学園で可愛がっている後輩たちに手を出す者には容赦がなく、神族が夜な夜な学園の生徒らを生贄にしようとしたときにはリザと二人掛かりで半殺しにした。仮にも夜の支配者で知れた誇り高い種族が下手にお気に入りに手を出す輩を許すわけがなく、令裡が姿を消すときはよっぽどのときである。
その一方で、一般的な吸血鬼一族としての弱点も踏襲しており、日の光に弱い、河を渡れない、招かれなければ建物に入れないという弱点を持つ。
特に日の光に弱いという弱点は学生の令裡には致命的であり、自分を慕う後輩たちの顔を見るべく無理をして通学しているが、それが祟って突然倒れてしまうこともある。また誰かに招かれないことには小さな小屋でも入ることができないので、何か建物を見つけても招かれるまでは立ち往生を余儀なくされる。その他、にんにくや十字架は嫌い止まりだが、ホワイト・アッシュの杭は大の苦手であり、見せられただけですぐに姿を消してしまう。
リザとは人狼と吸血鬼の天敵関係で棺桶女、セコセコ女と呼ばれる一方、食客として組む間に一糸乱れぬ連携をこなし、片方が無茶をする場合にはもう片方も付き合うという戦友の関係になりつつある。なんだかんだと言っても吸血鬼にしては珍しく他者をリスペクトできる令裡の性格を思えば、これも当然の流れなのかもしれない。
また仲間になって以降、特に怖い印象はなかったのだが、降霊騒ぎの時には吸血鬼としての本来の恐ろしさを発揮しており、招待を受けなければ建物に侵入できないことから小屋の一つ一つに火を放つなど、普段の大人しい令裡の本性を垣間見ることとなった。
