学術上の報告、記載がなされておらず、学名の付いていない種。未記載種。
また学術上では誤用といえる表現だが日常会話やフィクションで用いられる事がある用法として、新たに生まれたり作られた種や新製品、新しい概念等に対して使われる事もある(例えば「新種誕生」といった使い方。これは学術的には「種の分化」等といったほうが適切と思われる)。
なお「種」でなく「品種」を対象とした「新品種」という語句の場合は、栽培品種や家畜等に対してならば後者の意味でも問題がない(植物学上の品種(forma,f.)を除く)。
新種が発表された際、報道などで「新種認定」や「新種登録」といった表現がされがちだが、厳密には「新種記載」「新種発表」「新種報告」といった表現が適切である。
これは論文や文献などで新種を発表する際、(査読や命名規約などはあるものの)学会等の権威機関や公的機関の許諾や認定、コンセンサスを得るといった手順が必要となる訳ではないためである。
メディアなどで非常に多い誤用であるため、新種発表のプレスリリースなどでは、この事を念頭にしたと思われる註釈がつけられる事もある(森林総合研究所によるクマノザクラの新種報告時や、岡山大学によるカハタレカワザンショウの新種報告時のプレスリリースなど)。
こちらも品種(植物学上のformaを除く…略)の場合には、それぞれの品目について登録機関や認定機関が存在する事がある(例として、ランを中心とした園芸品種登録を行っている英国王立園芸協会や、種苗法に拠る園芸品種の登録を行う日本の農林水産省など)ため、「登録」や「認定」といった表現でも適切となりうる。