概要
船戸高校に入学した小鳩常悟朗と小佐内ゆき。二人は中学3年のある時期から、共通の目的のもとに互恵関係を築き上げてきた。目立たず普通で穏やかな小市民生活を手にしたい二人は、それを阻んできた各自の性癖を抑え込むべく、互いを利用し互いに監視し合うことで、高校生活を無難にスタートさせる。
ある日の放課後、常悟朗は甘味大好きなゆきに付き合い、洋菓子店を訪れる。毎年味が変わるというその店の期間限定いちごタルトを手に入れてご機嫌のゆきだったが、あろうことかタルトをかごに入れておいた自転車を目の前で盗まれてしまう。常悟朗は、愛用の自転車と愛するスイーツをいっぺんに失ったゆきを気にかけるも、数日後の自転車発見を境にゆきの様子がおかしくなりはじめ――。