具体的には、何かが起きた瞬間というより、何かが起きるであろうということが分かる瞬間(あるいは、何が起きるのかが分かる瞬間)のことである。
何かが起きることが決定された瞬間、すなわち決定的瞬間である。
言葉の由来
もともとはフランス出身の写真家・アンリ=カルティエ=ブレッソンが1952年に発表した作品集の邦題である(原語ではImage à la sauvette、訳すと「逃げ去る映像」というかなり異なったタイトルであった)。l
邦題のとおり、まさに何かが起きる瞬間ばかりを写した作品である。
当時、写真は専ら肖像か風景を写すことに使われていたため、この作品は多くの人々に衝撃を与えた。頑迷な旧来の批評家からは「ただ偶然を写しただけであり、これを芸術と呼ぶのは芸術への冒涜である」等と激しく批判された。
中でも1932年に撮影された、ハシゴのようなところからスーツを着た男性が池らしき場所に跳び込み、足が水面に付く瞬間を写したものが有名である。
この作品が有名になったことで、日本では一般名詞化した。