概要
OVA版吸血姫美夕に登場するキャラクターで、美夕と並んで主人公的な存在。実年齢は明かされていないが、外見的に20代くらいの女性。作中では視聴者みたいな役回りを務める。「吸血姫美夕フィルムコレクション」掲載の平野監督のインタビューでは「美夕という存在は鏡(ダーティー)であり、一三子はそれをうっかりのぞいてしまった我々(視聴者)自身」と語られていた。
霊媒師をしているが、実は霊の存在を信じてないなど、かなり現実的な性格。タクシー代をけちって倹約したり、「私の勘は金が絡めばよくあたる」と心の中で言っていて、何故霊媒師をしているのか謎な女性。
神魔に襲撃された際、美夕に助けられ、以後神魔絡みの事件によく巻き込まれるようになる。
小悪魔的で奔放な美夕に振り回されがちだが、第2話の神魔・爛桂との戦いでは、戦いに勝っても恋愛では爛桂に敗れた美夕に対して「負けたわね美夕」「ハンターじゃない。お前の中の女の話よ」と言うなど、言うべきときは言っている。
第3話では美夕に神魔レムレスをおびき出す囮に使われ、レムレスに殺されかかるなど、大変な目にあうこともあった。
何度も自分の身を危険にさらされたため、基本的に神魔の存在を否定し、美夕にも否定的な態度をとっていたが、第4話の最後で、子供の頃に美夕と会っており、そのときに美夕に血を吸われていたことを思い出す。冒頭ナレーションの「闇と神魔と人間が集う最後の夜。そこに一人の少女が迷い込んだ時物語は始まる」の【少女】は、一三子を示していた。
「血を吸ってもすぐに(吸血姫として)目覚めるわけではない。成長してからあるとき不意に目覚める人もいる」という美夕の言葉を思い出し、愕然とする一三子のシーンで物語は終わる。
その後の一三子について描かれることはなかったが、平野監督はインタビューで、受け取り方は十人十色であり視聴者に委ねていること、(吸血姫として覚醒しても)したたかに生きていったんだろうと語っている。