由来
日本の退魔組織・神凪一族が炎の精霊王から下賜された剣。劇中では主に神器と呼ばれている。
現所有者は神凪綾乃。所持する者は力が増幅され、契約者に匹敵する精霊を制御する権限をも得る。より強き術者に従い、それより力量の低い術者に継承させる場合には大掛かりな儀式が必要となる。正式に継承すれば体内に納められるようになるが、継承しなくても使用自体は可能となっている。
外見
原作では両刃の直刀だが、アニメ版では木製となっている(アニメ版設定資料より)。使用時はメイン画像のように剣身に炎が灯る。漫画版ではファンタジー寄りの「ソード」という外観。
能力
前述の通り、炎術師の能力を大きく引き上げてくれる。
ただし炎術が「意志の具現化」であるため、威力は精神状態にかなり左右される。そのため能力・精神の弱い者が炎雷覇を手にしても使いこなせない。事実、先代宗主だった神凪頼道は実力がなかったため使いこなせず、炎雷覇は死蔵されていた。
また綾乃自身も高等技術である望んだものだけを燃やすことができず、炎術の最高峰である神炎も自由に発現できないでいる。
ちなみに見た目通り『剣』のため、炎術をメインに使うよりも剣として使った方が威力が高い。当初綾乃はこのことを考えず炎術を最大の必殺技としていたが、和麻に指摘されてからは斬撃を中心とした一点突破の戦法を駆使するようになった(炎術をまったく使わないわけではない)。
継承の儀
炎雷覇の継承を行うための儀式。そして次期宗主を決定するための決闘を指す。劇中では4年前、和麻と綾乃がこれらを巡って戦っている。しかし、炎術の使えない和麻では当時12歳だった綾乃にすら歯が立たず、失望した厳馬は息子を勘当した。ちなみに先代の使い手は綾乃の父・重悟だったが事故により片足を失ったため、ナンバー2である厳馬に継がせるはずだった(厳馬に継がせる意見が主流だったとのこと)。しかし、厳馬は息子に実力で宗主の座を継がせたいと考え、表向きは「継承とは若い世代へとつないでいくもの。今更自分が炎雷覇を授かる理由はない」と告げ、和麻と綾乃の対決をゴリ押ししたという。そのためこの継承の儀は、和麻の成長、ひいて彼の影響を受けた綾乃の成長に繋がった大きな出来事でもあった。
劇中での扱い
その性能に反してシナリオの争点になることは珍しく、原作1巻での立ち位置は「精霊王が実在することを匂わせる(和麻が契約者である伏線)」くらいにしか絡まなかった。
原作6巻で精霊喰いゴート一派が現れ、ようやく神器について深掘りされた。ゴートたちは神器を用いた大規模な魔術儀式を行おうとしていたが、作者が逝去してしまったゆえに描かれなかった。
えんらいは
ユーザーにおける風の聖痕の残念系ヒロイン・神凪綾乃の渾名。元ネタは炎雷覇を手にする際の掛け声「えんらいはー!!」から。