王女オルキス
おるきす
エルステ帝国の前身である「エルステ王国」の王女。
かつての彼女は明るく活発な性格で、現在のルリアとよく似た性格だった。
黒騎士ことアポロニアとは幼馴染であり、当時は大人しい性格だった彼女を振り回していたという。
実はオルキスの父であるエルステ王国国王は星の民の末裔であり、オルキスは星の民と空の民の混血である。
星晶獣を従える能力を持っているのはそれが由来であるが、当時のオルキスにはそのような力はなかった。
しかしある時、星の民から王国に寄贈され、封印されていた星晶獣「デウス・エクス・マキナ」が暴走。それによって国王と王妃は死亡し、オルキスは暴走したデウス・エクス・マキナの力で魂を抜き取られてしまう。
結果、オルキスの肉体は魂の抜け殻となって成長が止まり、感情を持たない「人形」となってしまったが、それと同時に星晶獣を使役する力が目覚めている(黒騎士は「感情を代償にして得た力」と語っている)。
そのため黒騎士は人形となってしまったオルキスを救うため奔走し、フリーシアと結託することになる。
デウス・エクス・マキナによって抜き取られた魂はエルステ王国のあった旧都メフォラシュを彷徨っており、その魂をオルキスの肉体に戻せば万事元に戻るはずであった。
しかし、黒騎士との旅やルリア達との交流によって抜け殻であるはずのオルキスに本来のオルキスとは別の人格が芽生え始め、オルキスの魂を取り戻すにはその人格を消さなければならなくなってしまい、これがルリア達と黒騎士が対立する理由になる。
オルキス自身は、当初は自分が本物のオルキスの抜け殻以外の何物でもないと思っていたが、彼女との旅の中で次第に「本物のオルキスとは別の自分として見てもらいたい」という願いを抱くようになっていた。
だが自分がどれだけ黒騎士を想おうとも、黒騎士が自分に向ける感情は全て本物のオルキスに向けたものであることも理解していたため、ならばせめて自分のすべてを捧げてでも黒騎士の願いを叶え、彼女に尽くして消えることを決意する。
一方、黒騎士もオルキスと旅を続けるうちに、自分の中で今のオルキスが本物のオルキスと同じくらい大切な存在になっていることに気づき、ついには自分の意志ではどちらを選ぶべきか決められなくなってしまう。そのため主人公達との戦いの決着に彼女の処遇を委ねようとしたが、前述の通り、オルキスは自分が消え、本物のオルキスの魂を元に戻すことを選んでしまう。
ところが、彼女は消えることはなかった。
実は魂だけの存在となった本物のオルキスは、エルステの大将にしてエルステ最高峰の自動人形(ゴーレム)であるアダムと会話が出来ており、彼に依頼して自分そっくりの精巧な人形を制作。行き場を失う今のオルキスの人格の受け皿としてメフォラシュに保管していたのである。
こうして2人のオルキスが同時に存在できるようになったのだが、どちらも名前が同じでは不便ということで、「オルキス」の別の空域での呼び名を、新たな名前としてオルキスから授かる。
オルキスとは異なる、全く別の存在となった「オーキス」は、改めて自分の想いを黒騎士に打ち明け、傍にいることを望む。そして黒騎士もまたオーキスを受け入れ、共に歩んでいくことを誓った。
なお、猫のぬいぐるみは元々オルキスのものだったが、自分よりも大切にしてくれているということでそのままオーキスにプレゼントされた。
それ以降の彼女についてはオーキス(グラブル)の項目を参照。
ここからは元に戻った本物のオルキスについて記載する。
アガスティアでの一件からしばらくした後、無事に意識を取り戻したオルキスはエルステ王国の王女に即位し、メフォラシュを再び首都として王国を再建することを宣言する。
本来の明るい性格を取り戻している一方、王家の末裔としての使命感から自分を追い込もうとしてしまいがちになっており、大将アダムから心配されている。
度重なる王政の入れ替わりによる国民からの不満の声や、トップであるフリーシアを失ったことでほぼ無法地帯と化してしまったアガスティアなど数多くの問題を抱えながらも、アダムらの支えもあり少しずつ王国を建て直そうと尽力する。
その後、監獄から脱獄したフリーシアによって再びアーカーシャを起動させるために攫われ、アガスティアまで連行されるが、主人公一行、そしてオーキスによって救われた。