CV:八代拓
概要
小説『アンデッドガール・マーダーファルス』に登場するキャラクター。“鳥籠使い”を名乗る半人半鬼の青年。20代前半。見世物小屋で働いていたところを輪堂鴉夜に延命を条件に勧誘され、彼女の助手となる。
外見
基本的に普通の人間と大差の無い青年だが、髪と瞳が青く、四肢に近い動脈と左の顔面には青い刺青のような線が浮き上がっているため、つぎはぎだらけのコートや手袋で隠している。元々の髪色は黒髪だった模様。また、陽気な言動に対して、瞳は濁っており、どこか陰気を感じさせる風貌でもある。
人物
常に飄々とした軽い性格をしており、余計なことを口走っては鴉夜に釘を刺されたり、静句から制裁を受けている。講談師のように無駄に芝居がかったおどけた声音で説明をしたり、噺家のような軽妙な台詞回しで笑えない冗談やつまらない小噺を連発しては鴉夜に窘められる。上述にあるように見世物小屋で暮らしていたのは自分が鬼に呑まれた際には死ぬ前に高みの見物を決め込んでいる悪趣味な観客や座長を皆殺しに出来るという理由からであり、鴉夜からは思考が人外だと評されている。また、自分自身が怪物に侵食されつつあることから、人間と怪物との共存には否定的である。
分かりやすく態度には出さないが、鴉夜や静句には本人なりに仲間意識を持っており、夜宴を追うのも復讐というより鴉夜の肉体を取り戻すことが理由でもある。
能力
鬼の力を植え付ける実験により半人半鬼(おにまじり)となっており、高い身体能力と頑丈な肉体と強靭な生命力を持つ上、『怪物を殺す怪物』である鬼の特性を有する為、怪物の人智を超えた回復能力を封殺する切札(ジョーカー)として非常に高い戦闘能力を誇る。日常的に怪物達と殺し合ってきたことから戦闘能力は非常に高く、その力は「怪物の王」と謡われる吸血鬼をも上回る。《鬼殺し》時代に隊長の荒屋苦楽から学んだ、怪物の口内から喉奥まで拳を突き込むことで脱力させ、水月を寸勁で蹴り一撃で倒すという技〈酔月(すいげつ)〉を使う。助手だけに推理力はいまいちだが、物覚えはかなりいい方で、半年で10カ国語を習得している。鬼の侵食を食い止めるため、定期的に不死である鴉夜の唾液を摂取して免疫を高めている。
経歴
明治維新後の日本で行われていた「怪奇一掃」のために集められた部隊、明治政府農商務省山林局怪奇一掃特設隊第6班、通称“鬼殺し”6番隊の一員だったが、教授に捕らえられて〈鬼〉の力を植え付けるという人体実験を受けた結果、半人半鬼となってしまう。実験後、隙を突いて施設から脱走を果たし、見世物小屋で怪物達と殺し合いをしながら生活をしていたとき、鴉夜から勧誘を受け、彼女の助手としてヨーロッパへと向かうことになる。