概要
筆ペンが歴史に初めて登場するのは1972年。以後、改良が重ねられた末にヒット商品となり、現在に至る。
現存する世界最古の筆は中国の楚の遺跡より発掘されており、日本最古の筆は大宝年間(701~714年)に作られた物で、正倉院に保管されている。実に数千年ぶりの筆の革新である。
筆先は合成樹脂で出来ているものがスタンダード。動物の毛を使った高級品も存在するという。
筆と違って洗う必要は無い。ただし、汚れが目立つようであれば適宜ティッシュ等で拭き取ったほうがよい。
また、専用カートリッジ部分のみでも販売されているため、筆先だけ保管しておけば、インクが切れた場合でもまるまる一本買い直す必要が無い。
インクは染料と顔料が存在する。イラストには顔料が向いている。
画材としての筆ペン
利点
にじみ・かすれ等の工夫により、独特の味わいを持ったイラストを描くことが出来る。
和風のモチーフを描く際に適している文房具と言える。ただし、本格的な水墨画のような絵を描きたい場合には融通が利かない。
難点
墨の量の調節を間違えると、予想外に紙面を汚してしまう。強く圧迫された状態のまま放置しておいた筆ペンを使用する際も、同様の注意が必要である。
油絵のように塗り重ねると紙を破いてしまう恐れがあるため、修正が困難である。
また、一定の綺麗な線を引くことが通常のペンよりも難しい。
アナログとデジタル
和紙に描いた筆ペン作品の場合、絵の雰囲気が日本画と近い味わいとなる。そのため、あえて背景を描かず白いままで残しても、自然と馴染んでしまう効果(奥行きのある景色と捉えることが出来る)が得られる。
デジタルの筆ツールの場合、背景を描きこまないとどこか味気ない雰囲気になることがあるが、これがデジタルと筆ペンとの最も特徴的な違いと言えるのではないだろうか。そのため背景レイヤーに素材をいれると雰囲気が出る。
筆ペンのバリエーション
筆ペンの種類は、一般的な黒・朱色の2色だけではない。
赤・青・黄・緑・ピンク・灰・茶・水色といった、様々な色が存在する。
ただし、これらの筆ペンは一般的な文具店にはほとんど置かれていない。購入したい場合は、大型の文具店等で探すか、通販を利用したほうがよい。
その他
筆ペンで描かれるイラストは、描線がメインの黒一色のものが多い(先述したように、筆と比べると濃淡等の表現において融通が利かないため)。
よって、筆ペンで描かれる作品については、水墨画というよりは白描画に近いと言える。
2010/8/24より、投稿時の使用ツールとして選択出来るようになった。