袋とじとは、製本手段の一つである。
漢字では【袋綴じ】と書く。
製本としての「袋とじ」
製本の際、ページとなる紙面の表のみに印刷し、裏面が内側に合わさって見えなくなる形式。
通常の製本に比べて分厚くなりがちで、使用する紙の量も多くなってかさばる。しかし表面だけに印刷するため、製本法としては素人でも簡単に行える上、通常の製本と比してページの整合性に複雑な計算が不要という利点もある。
また液体インクや墨汁など、水分の多い塗料で筆記する帳簿には塗料の裏写りの予防が期待できるため、伝統的な和式の製本では採用されやすい傾向にある。
付録としての「袋とじ」
一方、現在では成人向けの情報誌の付録として、センシティブな内容を袋とじの内側に敢えて印刷して封印する手法が普及している。
現在の日本では、こちらの意味で使用されるケースが多く、本来の製本方法よりも、「袋とじで印刷された大人の付録」という意味で使われる言葉となっている。
そのため本来は製本方法を指すはずが、多くの男性が勝手に「雑誌のエロいオマケ」と認知しており、製本方法として認知できる人は少ない。なお、ある少年誌ではこの作品のエロ描写を封印するため袋とじで対応したことがある。
ほか、先行情報を封入したページを袋とじにするパターンもあり、特に児童用のテレビ雑誌やアニメ雑誌などに採用されることがある。
なお「如何にして袋とじを破るか」について、熱い議論を交わすのはある意味お約束。
今日もどこかで、「カッターやハサミを使う派」と「敢えて素手で綺麗に開ける派」が火花を散らしている。
またコンビニで必死に隙間から覗こうとした人も多いはず。
袋とじページと古本の価格査定
袋とじのついた雑誌を古本に売り出す場合、基本的には袋とじは未開封がベストとされる。
袋とじの開封は「本の損傷」と看做され、価格が下がることになる。そのためコレクション目的に状態を保存しようとすると、必然的に袋とじは未開封にせざるを得なくなる。