言の葉舞い散る夏の風鈴
ことのはまいちるなつのこえ
新しい季節―俺は、留年した。
始業式。桜之宮学園1年生2回目の「波瀬 督」は、
学校へ続く並木道で同じく留年生の「真額 詞葉」を見かける。
出会って三秒、合体した。彼女の声が、彼の耳に。
オタク趣味が高じて会得した高精度のダメ絶対音感により、督は詞葉の秘密を知ってしまう。
なんと彼女は督が大ファンである顔出しNGの超人気声優『日華 こころ』だったのだ。
二人だけの秘密を守りつつも、憧れの声優の声に昂ぶる学園生活を送り始めた督は、
同じクラスの「野原 ゆう」に勧誘され、詞葉とともに声優部へ入った。
2度の留年を経験する先輩1年生の「菩提樹 仰子」、車椅子の後輩1年生「百花 奏」とともに、
彼らは学生声優グランプリに挑むのだが― !?
教えるのがド下手な詞葉、大根役者の仰子とあがり症のゆう、アニメや声優に疎い奏。耳だけ肥えている督。
留年生3:現役生2にて繰り広げられる、全員1年生のどうにもならないドタバタ稽古っ!
恋と演技のから騒ぎ! 青春声優部ラブコメディ!!
プロの声優として活躍する、からかい好きの同級生。
真額 詞葉(まぬか ことは)
CV:桜川未央
桜之宮学園に所属する学生ながら実は顔出しNGの超人気声優、
日華こころ――通称『こころん』として活動している。
事務所の方針か、プライベートを隠していたのだが、
ダメ絶対音感を持つ督に正体を気がつかれてしまう。
明るく、悪戯っぽい性格で督が大ファンである、
『こころん』のイメージを崩壊させるなどして、
からかってくることもしばしば。
演技は上手だが、天才肌すぎて教えるのがド下手。
仕事が忙しかったため、留年しており、現在は1年生。
野原 ゆう(のばら ゆう)
CV:遥そら
あがり症で、学校の自己紹介でさえガチガチに緊張する質だが、
こうと決めたら一直線の性格。
いつもヘッドフォンを耳に当てては本を読み一人妄想の世界に浸っている。
実はエロい創作物が大好きで学校で人知れず官能小説を読んだり、
エッチなドラマCDを聞いたりしている。
演技は好きだがいつも一人で練習していたため非常に棒な感じである。
菩提樹 仰子(りんでん あおこ)
CV:くすはらゆい
菩提樹財閥の令嬢で生まれつき体と意思が弱いため、
出席日数が足りず2度留年したベテラン1年生。
演劇部のオーディションを受けたが見事に落選し、
悔しさのあまり声優同好会を作った過去を持つ。
その経緯もあってか、演劇部部長の百合ノ木真子に、
並々ならぬライバル心を抱いているようだ。
2年間声優同好会でひたすら磨き続けてきた演技は、
まさに大根の一言。
百花 奏(ひゃっか かなで)
CV:秋野花
大人しく、物静かな性格だが芯はしっかりしている。
督の中学のときの後輩で面識はあるようだが、
督はよく覚えていないようだ。
生まれつき足が悪く、車椅子。
外で遊べなかったため、ドラマや舞台など芝居を観るのが趣味だが、
アニメ・声優といった二次元のものには疎い。
まったくの素人ながら声優コンテストに参加し、
授賞するほどの才能の持ち主。
波瀬 督(はぜ おさむ)
登山家の親の事情により海外に連れ回され、
留年してしまった主人公。
表向きはいたって普通のオタクだが、
日華こころのファンクラブ会員NO1をゲットするほどの熱烈な『こころん』ファン。 また極めて精度の高いダメ絶対音感を持ち、どれだけ声を変えていても、
どの声優か聞き分けることができる。
ゆうに勧誘されたのをきっかけに成り行きで声優部に入ることになる。
演技はまったくできないが、経験を積んでいくことにより、
スタッフとして作品作りに欠かせない存在となっていく。