人物
筋骨隆々とした無骨な外見で、美男子とは言い難いが物語中の設定ではどうもゲイ好きのする外見のようである。(第20章「倒錯」より)
某有名漫画の暗殺者にそっくりだが、連載時の掲載誌が同じと言う以外に共通点は無い。
職業柄神父服が基本スタイルだが、第12章「廃墟」でびっくりするくらい趣味の悪いセーターを着用している。結城の見立てによるものかは不明。
表向きは敬虔で実直なカトリックの神父だが、凶悪な犯罪者である結城美知夫の逃亡を手助けするなど犯罪に加担しており、実質彼とは共犯関係にある。
また、2人は同性愛関係にあり、カトリック教徒として「禁じられた関係」への罪の意識から激しく懊悩する。
経歴
かつては「カラス」という新宿を拠点としたフーテングループに属する、不良少年だった。
十五年前、MW流出事故に結城と共に遭遇し、目の当たりにした恐怖の記憶から逃れるため、事故の後遺症により大きく変貌してしまった結城を救うため、聖職に仕えることを決意する。
上記の通り、結城とは同性愛関係にあり、その事に対する罪の意識に日々苛まれ続けている。
実はかつて当時小学生だった結城を犯したという過去があり、彼に逆らえないのはその後ろめたさも手伝っていると推測される。
元・信者であった澄子とは互いに憎からず想い合う仲だったが、結城に強引に寝取られてしまう。
賀来自身の出自や幼少時代の描写は作中では一切無いが、高校時代サッカー部に所属していたことだけが目黒検事との会話で明かされている。
性格
結城を司法の手ではなく、神の手によって精神的に救済する事を自身の使命と信じており、結城には逆にそこをつけ込まれている。
直情的で正義感は強いが、毎回結城の誘惑を拒む事が出来ず、その言動は終始一貫性に欠ける。
また、信者であった澄子に仄かな想いを寄せていたあたり、おそらく根本的に聖職者には向いていない。
物語前半は結城に対して「汚れたメフィストフェレス」として愛憎半ばする感情を向けており、彼が澄子を手篭めにしたことを知った時は、思い余って殺害しようとした。
しかし、その後発作で倒れた結城が生死の境を彷徨った際、本気で「助かってほしい」と祈る自分自身に気づかされ、激しく動揺する。この際、結城に対する自身の感情に気づいた事が、彼のラストの行動につながっていったと推測される。