この話は、「怪談の完全創作」(体験談ではない、なお伊集院は幽霊や霊能力といった類の実在には非常に懐疑的)を趣味の一つとしているタレントの伊集院光が、1997年頃に「山田邦子のしあわせにしてよ」内の怖い話企画で発表したものである。
この話を聞いた視聴者の中に、自分の体験した恐怖体験として雑誌投稿などをする者が現れ、やがて「友達の友達の体験」といった口コミに尾ひれがついて拡大して行き、次第に都市伝説として定着していった。
あらすじ【※閲覧注意】
ある夫婦が、かねてより夢であった一軒家を購入した。
中古物件ではあったが、ほとんど新築同然で、しかも破格値であったため、一も二もなく手に入れたものだった。
ある日、廊下に落ちている赤いクレヨンを見つける。
夫婦には子供はなく、家に誰かが入って来た形跡もない。
その時は気に留めなかったが、同様の怪異が次々と起こるに至り、夫婦はこの家について調べ始める。
その結果、この家には、もうひとつ部屋があってしかるべき空間があることが判明する。
意を決した夫婦は、その「隠された部屋」周辺の壁紙を剥がす。
するとそこには、釘打ちされた扉があった。恐る恐るその扉を開けると、何も無い部屋が。
しかし、その部屋の壁一面は、びっしりと赤い文字で埋め尽されていた。
おかあさんごめんなさいおねがいだして
おかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだしておかあさんごめんなさいおねがいだして
因みに、この都市伝説をモデルとしたボカロ楽曲が存在する。
【初音ミクオリジナル】クレヨン
動画
ちなみに動画を視聴すればわかる通り、原作の伊集院の話では、登場するクレヨンは「青色」であり、体験者は「伊集院の友人の不動産業者とその知人」、書かれていた文字は「おとうさん」である。
伊集院光と怪談
上述の通り、伊集院はラジオや著作などで、自身が「無神論者」「オカルト否定派」であることを公言している。その彼が怪談を創作していた理由は、ラジオDJであり元落語家(当時の師は三遊亭楽太郎)として、「面白い話を作り、面白く喋る」ことが自身の修行になるとの考えからであった。
しかし、いざ公共の場で怪談を語った際に、「心霊芸人」「オカルト肯定派」として扱われたり自身の創作であるはずの話に心霊研究家がもっともらしい注釈をつけて実話であるかのように喧伝するのに嫌気がさしたこと、リスナーの中に怪談が苦手で聞くことをやめてしまう人もいたことなどから、現在ではプライベートの場以外で怪談を披露する機会はほとんどなくなってしまったという。
フグのおじさん(仮題)
伊集院がDJを務めるラジオ番組「深夜の馬鹿力」のコーナーで紹介された後、怪談・都市伝説として拡散していった話。リスナーの電波系の体験談を投稿するコーナーのため、話の真偽は不明である。おおまかな内容は以下の通り。
浜辺でキス釣りをしていた子供の頃のリスナーは、外道として釣れたクサフグを海に返さず周囲に放置していた。
そこに犬の散歩をさせていたおじさんが現れ、「食べるとうまいぞ」といいながらフグをさばき、切り身を差し出した。
リスナーが断るとおじさんは不満げに切り身を捨てたが、犬がその匂いを嗅ごうと鼻を近づけると
「こらっ!そんなもん食うんじゃない!」と𠮟りつけ、犬を連れて去って行った。
自分の犬に食べさせたくないようなものを、なぜおじさんは勧めてきたのだろうか——―。