赤い木(ケムリクサ)
あかいき
この項目は物語の根幹ネタバレの為、未試聴者は閲覧注意
「ヴォァヴォァヴォァ…」
「ヴォァヴォァヴォァヴォァヴォァ!!」
十島の3Dプリントされた新宿駅からやや離れた"沖合"にそびえ立つ巨木。
その根は八島・九島を広範囲に覆っており七島のすぐ傍にまで達している。
元々はりりが“星の文化財のコピー保存作業”をしているワカバの過労を案じ、複数のケムリクサを合成して作り出したケムリクサの働きを抑えるケムリクサであったが、「自律のムラサキ」を含めて多数のクサの合成を繰り返してできた新しい色の所為なのか、結果として“ケムリクサを機能停止させ続ける制御不能の異常なケムリクサ”へと変貌を遂げてしまった。
尚、「修復と調律のミドリ」によって働きが止まることから、動作異常または暴走状態にあることが推測された。
遠くから見ると刺々しく歪な尖塔といった趣で、一般的な樹木のイメージとはかけ離れてはいても、まだ植物の様に見えたのだが、本体部分は肋骨と同じ数の襞と腕のように見える二本の動く太い枝がある為、“頭が無い人間の上半身骨格標本”にしか見えない異形そのものの外見である。
似た植物を強いて挙げるとしたらモウセンゴケだろうか。
ちなみに生長する前の"アカの葉"の状態ではウスイロに似た形状をしている。ウスイロのモデルは蓬とされていることから、"アカの葉"のモデルは鳥兜という説もある。
経緯は不明だが恐らくムシを取り込んだと思われ、外敵を排除する為の機能として軍事兵器もかくやという戦闘力を有する。
- 赤霧の噴出
根からケムリクサでプリントされた物体を分解する霧を噴き出す。
りつ曰く、ケムリクサには固有の音があるらしい事、赤霧はノイズを伴なう事から、この霧は微細なケムリクサの可能性がある。
また、無害なムシのプログラムを書き換えアカムシにしてしまうことも可能。
- アカムシの産出
アカムシを直接産み出すこともできる。
- 根の転送
わかばの腹を貫き、視聴者に11話ショックを引き起こさせた能力。
何もない地面から根を出して攻撃する。地中を通しているのか空間を歪めているのかは不明。
- 赤霧噴霧鉄球
"右腕"に付いている、建物解体用鉄球を思わせる鉄球。着弾をスイッチとして高濃度・大量の赤霧を噴霧する。りくが既知であることを示唆していることから、前回遠征時に戦ったヌシと同じものと推測される。
作中描写を見る限り着弾しないと霧を出せないようで、振り回す分には只の鈍器になってしまうようだ。
- 熱線砲
"左腕"に付いている、空橋のヌシが装備していたものと同型の武装。根本にコアパーツ・連射回数に制限有りと弱点も同じ。
- 防壁
「防御のアオ」に似たハニカム構造の壁を展開する。但しこちらは透明。
りょう曰く「普通じゃない壁」らしいので、アオの防壁とは性質が異なるものと思われる。
- 唐草模様の赤黒い枝
ぬるぬると動く枝。詳細不明。地面が、接触した時にまるで抉られたように消失してしまったことから、赤い木の中でも特に抑制力が強い部位だと思われる。
- 操作ブロック
外部からの操作を撥ね付ける能力。わかばが2度目に操作しようとした時に「禁」の文字が浮かび上がった。
誕生からしばらくして後、りりの予想を超える勢いで成長を開始し、他のケムリクサを破壊する赤い粒子をまき散らして周辺の環境を汚染、ワカバ達が作業していた区域はケムリクサが育たず、せっかく作った構造物も侵食され始めるなど、もはや文明の復元業務どころではなくなってしまう。
これに対してワカバはりりを逃がした後で青の防壁を複数展開し、自分の肉体を触媒に緑のケムリクサを成長させ、これを楔にして赤のケムリクサの暴威を食い止めようとした。しかし、それも時間の経過で綻び始めており、船全体に赤霧や赤ムシが拡散するのは時間の問題となりつつあった。
その後、わかばとりんが島の最深部に辿りついた後、記憶の葉からりんが過去に起こった出来事を追体験していた所に奇襲を仕掛け、彼女達との決戦でも多彩な能力を駆使してわかばとりんを分断し追い詰めたのだが、りんが"自分の本当の好き"に気付き叫んだ瞬間に現れたりょう達によって攻撃手段も防御手段も破壊され、丸裸になった所をりんによって「ミドリちゃんの核枝」を突き立てられ、その機能は停止し、幹も根も崩壊して消滅した。
尚、赤い木の消失によって"船"の機能も回復したとの事。