演:中村嘉葎雄
概要
『新必殺仕置人』にてレギュラーとして登場する「仕置人」の一人。
温和な人柄で、無口で朴訥な印象の好人物。
仕置仲間である念仏の鉄と同じく、観音長屋にて暮らしている。
表稼業は鍋や釜の修理を行う鋳掛屋で、自宅や道端で作業をしているが、腕はイマイチ。
他方、裏稼業者としては鉄ほどのベテランではないらしいものの、後述の殺し技がほぼ百発百中であることから、腕前は確か。ある依頼で鉄と命懸けで戦うこととなり互いに生き残った縁から、鉄と組んで裏稼業をおこなっており、やがて鉄ともども中村主水とも組むこととなった。
彼もまた鉄と同じく、罪人として佐渡島へ島送りとなった過去がある(盲目と見做された兄の身代わりに自ら罰を受けることを申し出たため)。このため自身と同じく島送りとなった者を何かと気にかけ、世話を焼いている様子も見られた。
依頼人に同情し寅の会へ仕置の依頼を自ら持ち掛けたり、事件に巻き込まれ心を閉ざした子供に不器用ながら暖かく接し続けたりと、情に篤くまっすぐな人情家としての言動も多くあり、人に迷惑を懸ける事も厭わず自由奔放に生きる鉄や、無常な世の中と折り合いを付けながら小悪党的に生きる主水といった他の面々とはまた違った立ち位置の存在である。
殺し技
お手製の竹筒鉄砲により標的を狙撃する。
ただしその射程距離は二間(約3.6m)ほどと短く、急所を外せば反撃されるリスクが高い。まさに一発必中が要求される命懸けの方法である。
本人もこれを理解してか日頃より鉄砲の改良には余念がなく、劇中では様々なバリエーションが登場した。
具体的には、
- 五連発型(複数の筒を纏め、順に着火する)
- バズーカ型(不発、ただし逆に利用して陽動に用いた)
- 傘型(仕込み鉄砲)
- サイレンサー付き(古い薬缶を被せ、中にボロ布等を詰め込んだ物)
等がある。
また、至近距離で狙う必要上、屋根上からの狙撃、地面に潜っての待ち伏せ、花火に紛れての使用等、鉄砲の使い方にも様々な工夫が見られ、中には手榴弾のごとく投擲し複数の悪人を爆殺した例なども存在した。
なお、銃身たる竹や銃弾は自ら調達しているほか、火薬は足がつかないよう裏ルートから入手しているらしい。