概要
『雨格子の館』は、2007年3月8日に日本一ソフトウェアから発売された推理アドベンチャーゲーム。
一柳和の受難シリーズ第1作目。
恐がりな主人公・一柳和が、道に迷って迷い込んだ山奥の洋館で巻き起こる連続猟奇殺人事件の謎を解いていく。
プレイヤーに与えられる時間は、館に救出が来るまでの7日間。
1日は朝と夕方の2パートで構成されており、朝パートでは"アクションゲージ"を消費しながら館の中を自由に行動し、犯行の手がかりをつかんでいく。
本作最大の特徴は、現在進行中の事件にプレイヤーが介入できること。プレイヤーの推理と行動が正しかった場合は本来殺されるはずだったキャラクターが生き延びて、翌日以降の真相究明に大きく影響する。
ストーリー
深い森の中で、ガス欠と酷い嵐に立ち往生した主人公「一柳和」(いちやなぎ・なごむ)。
車を乗り捨て、豪雨の中に見つけた洋館にたどり着いた和は、裏庭で中年男性の死体を発見する。
その直後、和は何者かによって昏倒させられる…。
意識を取り戻した和が見たのは、芝居の稽古をする一団だった。
話題作を連発している脚本家「帽子屋」の新作のため、この洋館に集められた8人の俳優達は、和のことを"9人目の俳優"だと勘違いし、裏庭の死体の話も信用しない。
昏倒時の怪我のこともあり、館に泊めてもらうことになった和。
その夜、館の温室で「復讐」と書かれた不吉な手紙と、黒猫の置物が発見された。
続いて、館に駐められていた俳優達の車のタイヤが切り裂かれる。
悪戯にしては度が過ぎていると、俳優達は次第に不穏な空気に包まれていく。
翌朝、俳優の一人の死体が発見される。
死体は何かを暗示するような、奇妙な姿勢と装飾が施されていた。
――『見立て殺人』?
さらに、土砂崩れによって館は外界から孤立してしまう。
疑心暗鬼に陥り、互いに接触を避け始める俳優達。
自分を守ることで精一杯な彼らは能動的に犯人を捜す余裕もない。
次の殺人を阻止できるのは、唯一の部外者であり、犯人の「復讐」に無関係な和だけ。
「予告」と「見立て殺人」の謎を解き、殺人を未然に防ぎ、真犯人を指摘することが出来るのか?
タイムリミットは7日間。
「それを過ぎちまったら犯人は――もう、誰も逃してはくれないでしょう」
登場人物
一柳 和
167cm 58kg 21歳
本編の主人公。大学生。
山道で迷い、不幸にも館にたどり着いてしまった。
普段から気が付くと途方に暮れるしかないような状況に陥っている事が多い、根っからの巻き込まれ体質。 恐がり。
「死んだじいちゃんの遺言なんだ!『君子危うきに近寄らず』って!!」
日織
178cm 90kg
役柄不明。
常に着流しで飄然とした態度のつかみ所のない男。
負傷した和の看病をかって出て同室に泊まった事から互いに唯一犯人ではないと知る相手となる。
「いるんでしょうね、犯人ってやつが」
鈴奈
157cm 43kg
姉の静奈に比べて活発でしっかり者。その分、大抵は姉のフォロー役になっている。
ただし姉の事になるといきなり我を忘れる一面も。
「お姉ちゃん、変なこと言うて驚かしたらあかんでしょ」
静奈
157cm 43kg
双子の姉。
普段は常に眠そうで、どこか不思議な雰囲気。
妹の鈴奈曰く「芝居以外の事はさっぱり」
まだ無名だが演技力は天才的らしい。
「……うちやないよ。猫は、斑井さん」
椿
175cm 79kg
執事役の青年。
とってつけたような丁寧語を話すが、どうやら地は真逆の性格らしく興奮するとぼろが出る。
那須(役名)が苦手?
「なんだよこれ!?…あ、いや。 なんの冗談でしょうか、これは?」
御陵
162cm 48kg
舞台女優。
一見落ち着いた大人の女性だが、口を開くとかなりの世間知らずがバレる。
天然らしく、時々ずれた事を言って周りを唖然とさせることも。
「私達、ただお芝居のために 集まっただけじゃありませんか…」
那須
186cm 120kg
役者としてはほとんど無名。
身体を鍛えるのが趣味で素晴らしい筋肉を誇るが別に肉体派タレントではないらしい。
物事を深く考えない豪快な性格で、しょっちゅう椿に怒鳴られている。
「いやー、ぼくは忘れてたなあ」
斑井
168cm 112kg
芸歴が長い事が自慢の売れない役者。
自分語りと早とちりと自己陶酔が得意。
暗石(くらいし 役名)とは犬猿の仲らしく、いつも言い争っては負けている。
「君ぃ、事務所はどこだね? 代表作は? 芸歴は?」
暗石
172cm 75kg
大部屋俳優。
その道ではベテランで、他の役者達からもかなり尊敬されている存在(斑井以外)
皮肉屋で少々口が悪い。ヘビースモーカー。
「…悪いが誰も信用出来ん」
南雲
一人だけ現れない9人目の役者。滝プロという芸能事務所に所属している役者らしい。
ルロイ
事件が発生した館の元の所有者だった男。中世ヨーロッパの貴族で、黒魔術を使うという伝説がある。