概要
1917年にアメリカが開発したボルトアクション式ライフル。
第一次世界大戦にてウィンチェスターとレミントンがイギリスから引き受けていたP14の製造を、参戦に際して継続するついでに補給線を統一する目的で30-06スプリングフィールド弾を使えるように再設計した物。
違いとしてはクリップ受け、内部ボックスマガジン、ボルトフェイス、チャンバー、ライフリングの寸法を.30-06スプリングフィールド弾と米国型ストリッパークリップに合うように変更され、ストックを軽量化し、武器の左側にあった一斉射撃照準器が撤去されている。また銃剣も専用のものが新たに設計された。
総生産数は合計2,193,429丁。
歴史
当時、アメリカはまさか参戦することになるとは思っておらず、主力小銃に決まったスプリングフィールドM1903を全軍に行き渡らせていなかった(実数は843,239丁ほど)。
そして、それ以前の小銃を掻き集めても動員数に足りず、また補給など現場の事情もあり、主力小銃を差し置いてこの銃の生産が優先された。
結果として、第一次世界大戦中の派遣軍およそ75%が本銃で武装されていたと言われている。
戦後はスプリングフィールドM1903に道を譲り、在庫の一部は1920年代から1930年代にかけて、NRAを通じて民間用に解放されたり余剰品として狩猟用に改造されて販売された他、レミントンが1921年にM30という民生用モデルを開発し販売、ホンジュラスがこれを買い付けた。
が、しかし、それでもまだ大量に在庫があり、第二次世界大戦中にはレンドリース法の適用で、金属の再仕上げ(サンドブラストおよびパーカー処理)、ストックやボルトの新調などの修繕を行った上で、イギリス、フランス、ソ連、中国、カナダ、北アフリカ、アイルランド、フィリピンなど様々な土地に払い下げられた。
またフィリピンを占領した際に日本軍が鹵獲し、現地の警察機構に用いられたとされる。
第二次世界大戦後もデンマークとノルウェーに再武装用として送られたり、朝鮮戦争で共産党軍が使用したり、中東やアフリカの紛争で用いられたりと、間に合わせにしてはとんでもなく長生きしたライフルだった。
現代
実は、グリーンランドのシリウス・ドッグスレッド・パトロールでは現在でも使用されている。
この経緯は少し複雑で、第二次世界大戦時に宗主国のデンマークがドイツに占領された事に遡る。これでデンマークは傀儡国家となったのだが、遠く離れた地グリーンランドは占領下のデンマークからの指示に従うことを拒否した。
この事に当時のアメリカ大統領ルーズベルトは好意的に反応し、カッターUSCGCキャンベル(WPG-32)をグリーンランドのゴドサブに派遣し、国務省の代表が保安官たちと大使館のような関係を築いた。しかし、かつて締結していた外交規則から撤退せざる負えなくなり、この際にM1917を50丁ほどうっかり残していった。
これを元にグリーンランドは自警団を組織、それがのちのシリウス・ドッグスレッド・パトロールであり、故に組織のきっかけとなったM1917を象徴として使っているのである。
フィクションでの使用
Verdun - 第一次世界大戦を題材にしたFPS。ドウボーイや米海軍の兵士が使用可能。
BF1 - 第一次世界大戦を題材にしたPvPメインのFPS。兵科:偵察兵のメインアームとして使用可能。
ブルーアーカイブ - 治安最悪な複合学園都市キヴォトスで先生として生徒と共に問題を解決するアプリゲーム。生徒の下江コハルや羽川ハスミの銃のモチーフとして登場。
性能
全長 | 1,180mm |
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銃身長 | 660mm |
重量 | 4.1kg |
使用弾薬 | .30-06スプリングフィールド弾(7.62x63mm) |
装弾数 | 5 |
口径 | 30口径 |