概要
1912年末にイギリスのエンフィールド造兵廠が開発した軍用ボルトアクション式ライフル。
ボーア戦争を終えたイギリス軍が、自軍のリー・エンフィールドが相手となったモーゼルM1893と戦った際、中距離は良いものの長距離での撃ち合いになった際に命中精度で押し負けた事に危機感を覚え、高初速の新型弾薬とそれを使用できるライフルのコンペを開催、エンフィールド造兵廠が.276エンフィールドと共にこの銃を提出しコンペを勝ち抜き採用された。
しかし直後に第一次世界大戦が発生。
まさか参戦することになるとは思っていなかったイギリスは大量に導入されていた303ブリティッシュ弾があることから物流に問題が生じるとしてこの銃の採用を停止。
このまま忘れ去られるかと思いきや物資不足が始まり、これを補うためにP13は303ブリティッシュを使用できるように改造したP14エンフィールドを開発し、生産力を補うためにアメリカのウィンチェスターとレミントン委託生産契約を取り付けた。
仕様としては概ねモーゼル系ライフルの仕様に沿っており、ボルトもモーゼルアクションを採用している。だが高初速弾に対応するためボルトを分厚く、長く、ニッケルの重いプロファイルを備え、螺旋状のロックラグを導入した徹底的な閉鎖力を持つ。
また銃床の前端に珍しい角度の指溝が付いているのも特徴で、これはP14などにはないこのライフルだけの特徴である。
生産数が2000丁にも満たない本銃だが、銃規制で廃棄され更に数を減らしたものの、一部はハンドガードを取り外し銃身を切り詰めてスポーツ用に改造された事で生き延びた。
性能
全長 | 1176mm |
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銃身長 | 660mm |
重量 | 3.9kg |
使用弾薬 | .276エンフィールド弾(7.2×60mmRB) |
装弾数 | 5 |
口径 | 27口径 |