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Gew88

げゔぇーああはちはち

Gew88とはドイツ小銃試験委員会(G.P.K)が開発し、1888年にドイツ帝国に制式採用されたボルトアクションライフルで、希代の名銃「Gew98」の元となった小銃である。
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概要編集

1888年にそれまでドイツ帝国に採用されていたモーゼルM71ライフルの後継として、同帝国に採用されたボルトアクションライフルで、後継は有名なドイツのボルトアクションライフル「Gew98」。

それまでの単発式ライフルから、連発式ボルトアクションライフルへの時代転換の代表銃とされ、コンセプトはドライゼ銃から脈々と続く歩兵用ボルトアクションライフルの完成形だった。

第一次世界大戦の終戦まで生産が続けられ、Gew98の不足分を補った。また第二次世界大戦でも戦争末期の恒常的な兵器不足の為、兵器庫から引っ張り出されて市民突撃隊等で使用された。

同盟国にも供給され、大清帝国へ供給されたGew88は日清戦争中華民国成立後の中国へ供給されたライセンス生産品漢陽88式小銃は1937年に端を発した日中戦争大日本帝国と戦火を交えた。

Gew98の項も参照。


列強大国を超える、新機軸の銃器開発

プロイセン王朝の時代から、ドイツ統一を成功させ、ドイツ帝国として成立したドイツにはまだ大きな力もなく、普仏戦争で屈辱の敗北を喫したフランスからの対独報復に脅威を感じていた。

そんな中、そのフランスが1886年に、画期的な管状弾倉で8発のライフル弾を連発できるルベルM1886ライフルを完成させたという報がドイツ帝国に入る。これに危機感を感じたドイツ帝国はそれまで採用されていたM71ライフルを置き換える連発式小銃を開発する為、ドイツ小銃試験委員会(Gewehr prüfungs kommission G.P.K)を組織し、ルベルが採用した無煙火薬とその8 ×50mm弾を範に取る7.92×57mmI弾(Iは歩兵用弾薬の意)を開発し、本格的な開発体制を整えていった。

開発は急ピッチで進められ、パウル・モーゼルのM87ライフル(旧式のM71ライフルに追加弾薬用固定弾倉を装着した物)を参考に、強度や安全性を改良したM1888コミッションライフルを完成させ、これは直ちにドイツ帝国陸軍へ制式採用され「Gewehr 1888」の名を授けられた。これの短縮形が「Gew88」である。


コッキング方式は無論、一般的なボルトアクション方式になっているが、弾倉フランスのルベルとは異なり、管状弾倉ではなく、一般的なシングルカラムの通常固定弾倉となっている。これは、ルベルライフルの管状弾倉は装弾数を飛躍的に上昇させ、現在の散弾銃でも主流の弾倉として使用されてる程画期的な構造なのだが、弾倉内は弾頭の前に次弾の雷管が来る形で装填されており、散弾を搭載する都合上ショットシェルの先が平べったい散弾銃はともかく、弾道安定性を得る為、弾頭を尖頭化させたライフル弾を装填する場合、銃本体に衝撃を与えたり、激しく動かしたりすれば暴発の危険が高く、非常に危険な代物であった為である。実際にこの管状弾倉を用いるルベルライフルは、この危険性を鑑み、弾頭を丸く加工しており、弾道低下を招いている。また、同じく管状弾倉を採用したフランスの同盟国日本二十二年式村田連発銃はこの仕様の為、採用早々に退役し、通常弾倉の三十年式歩兵銃へ更新されている。ルベルもこの弾道低下を防ぐ為、様々な改良を施し、最終的には暴発の危険を顧みない劣頭弾のBalle D弾を採用し、安全性が著しく低下してしまった。それでも第一次世界大戦では主力小銃としてフランス陸軍の第一線で使用された。


構造欠陥 コンセプトだけの完成形

前述した通り、Gew88の「5発以上の装弾数 クリップ装填またはエンブロック装填 ボルトアクション方式」というコンセプトは第一次世界大戦、さらにはその後のボルトアクションライフルの時代とオートマチックライフルの時代との分岐点とされる第二次世界大戦でも通用する歩兵用ボルトアクションライフルの完成形ともいえる。


だが、これは決してGew88だけに限った話ではないが、19世紀後半当時の小銃の弾薬は信頼性が低く、暴発や、不発、粗悪な金属によって発砲時の圧力に薬莢が耐えきれず、破裂したりする危険があり、そしてGew88自体の欠陥として前述の暴発、薬莢破裂による異常高圧に耐え得る機関部、高圧ガスを外部に流す安全弁等が存在しない為、仮に暴発するような事態が起きた場合、高圧高温の発射ガスが機関部を突き破って射手の顔面に吹きかかったり、或いは機関部ごと吹っ飛んで射手に突っ込んで来るという、非常に危険な欠陥も存在する。

この問題をモーゼル社が解決し、装填方法をエンブロック式からクリップ式に変更、同時に弾薬も劣頭弾の7,92×57mm弾に更新した小銃が、ドイツだけでなく、世界各国へ輸出され、多くの改良型、ライセンス生産品、コピー品が作られた世界的に有名な傑作小銃Gew98である。


仕様編集

全長1,245 mm(歩兵銃)950 mm(騎兵銃)
銃身長740mm(歩兵銃)488 mm(騎兵銃)
重量3,8kg(歩兵銃)3,1kg(騎兵銃)
弾薬7.92×57mm
装弾数5発

派生型編集

  • Gewehr 1888 通常モデルで、1888年採用の最初期モデル、一般の歩兵部隊に配備された。
  • Karabiner 1888 騎兵用モデルで騎兵隊だけでなく、輜重兵等の輸送部隊、直接戦闘には関わらない後方部隊も本銃を配備していたと思われる。
  • Gewehr 1888/05 弾薬関連の問題を解消したモデルで、後述のGew88/14と共に第一次世界大戦終戦まで使用された。また一部は第二次世界大戦でも用いられた。
  • Gewehr 1888/14 前述のGew88/04を改良更に改良したモデル。Gew88の完成形とされる。第一次世界大戦、第二次世界大戦で使用された。

関連タグ編集

Gew98 Kar98k 村田銃 ドイツ帝国 ドイツ軍

小銃 ボルトアクション 漢陽88式小銃

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