概要
2012年、吉田沙保里はロンドンオリンピックにてオリンピック三連覇を達成。国民栄誉賞も受賞した。この三連覇の快挙を持って兄・栄利は引退を持ちかけたが吉田は「リオを目指す」ことを目標とし現役続行を決意。
その2年後となる2014年、父栄勝が急逝。師匠でもある父のためにより一層オリンピック四連覇を目指すこととなった。
そして迎えたリオデジャネイロオリンピック決勝戦、アメリカ代表選手との対決、第一ピリオドこそ吉田がリードしたものの、第二ピリオドにおいて相手選手にポイントを重ねられ銀メダルに終わった。
そして、試合後に吉田は母・幸代に抱きしめられながらこう言った。
「お父さんに怒られる」
「金メダルを取れなくてごめんね」
霊長類最強女子と呼ばれた日本女子レスリング界のトップランナーが、ひとりの娘に戻った瞬間であった。
銀メダルに終わった娘の姿を見て、母は称えた。
「十数年間、勇気と希望と感動を与えようと、一生懸命頑張ってきた。私の宝です」
「霊長類最強とかいわれても私のかわいい娘。立派な銀メダル、おめでとう」