概要
所謂、プロレスに対しアマチュア選手が競技として行うレスリングの呼び名、「アマチュアレスリング」の略。
フリースタイル、グレコローマンがあり、それぞれのスタイルごとに競技が行われる。女子はフリースタイルのみ。
競技としては合計6分間を分割したピリオド制が取られており、点数によって勝敗が決する。
新ルールでは7点以上の点差が付いた場合もテクニカルフォール勝ちとなる形となった。
一時期は1ピリオド2分として、先に2ピリオド選手で勝利というルールもあった。
また、両肩を1秒以上地面に付ける形(ピンフォールもしくは単にフォールと呼ぶ)でも勝利となり、この場合はそれまでの獲得点数を問わずフォールを決めた時点で勝ちとなる。
オリンピックは第2回のパリを除き、第1回のアテネから続いている定番種目。
長らく男子のみであったが、2004年のアテネから女子も正式種目となった。
スタイル
主に投げ、抑え込み、ポジショニングの要素で構成されており、豪快な投げ技は見所の一つ。
絞め技、関節技は競技内においては使用されないが、技としては存在する(サブミッション)。
フリースタイル
様々な方法で相手を投げ、倒し、ポジションを奪い抑え込む。俗に言う低空タックルや片足タックルはこのフリースタイルで多くみられる。
グレコローマンスタイル
フリースタイルとは違い、古代ギリシャ(=グレコ)・古代ローマ(=ローマン)で行われていたパンクラチオンに倣って下半身への攻撃が原則禁止となっている。スープレックス等の技術が発達している。
カレッジレスリング
上記二つと比べれば日本での知名度が低いレスリング形式。基本的にはフリースタイルに似ているがテンポが緩やかで、リバーサルでもポイントが入るなど、コントロール技術を重視している。
グラウンドコントロールの際に腕をクラッチしてはならないため、腹部で相手の動きをコントロールする。
近年MMAで頭角を現してきているレスリング出身選手のうち、多くがこのカレッジレスリング出身。腕をクラッチせず、打撃を繰り出しながら相手をコントロールできるためである。
アマレス選手、アマレス出身の格闘家、プロレスラー
※五輪出場者は☆
男子
サンダー杉山☆ マサ斎藤☆ ジャンボ鶴田☆ 長州力☆ 馳浩☆
本田多聞☆ 中西学☆ 栄和人☆ ルーロン・ガードナー☆ 米満達弘☆ 高谷惣亮☆ ジェフ・コブ☆
マーク・コールマン ランディ・クートゥア サルマン・ハシミコフ
ブロック・レスナー シェルトン・ベンジャミン ダン・ヘンダーソン
棚橋弘至・・・大学時代学生プロレスと掛け持ちでレスリング部に参加。(本人twitterより)
諏訪魔・・・高校時代は柔道をやりながらレスリングにも取り組み大学で本格的に始める。
※実弟の格闘家で元警察官の永田克彦も元アマレスラーである。(シドニーオリンピックレスリング グレコローマンスタイル69kg級 銀メダリスト)
女子
余談
格闘技としては珍しく打撃技・絞め技・関節技のいずれもルールで認められていない(関節を極めた状態で強引に相手をひっくり返す“拷問技”は存在する)ためあくまでスポーツ格闘技であるとみなされがちだが、その源流は実は戦場格闘技であったと言われている。
戦場において鎧を纏った相手に対し打撃技は効果が薄く、関節技や絞め技も敵の命を即座に奪うほどの攻撃力はほぼ無い。しかし敵を地面に押し倒す事ができれば短剣などで素早くとどめが刺せるため、戦場格闘技に於いては打撃・絞め・関節よりもテイクダウン技術が重要視されたのである。
上記を踏まえると、つまりアマレスとはいかにして相手をとどめを刺す直前の状態(ピンフォール)にまで追い込めるかを競う競技であり、そのため他の格闘技以上にテイクダウン技術やグラウンド(寝技)技術に重点を置いた技術体系が発展したのだと言える。
表記揺れ
関連タグ
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バックドロップ・ジャーマンスープレックス・フロントスープレックス・サイドスープレックス・ダブルリストアームサルト・水車落とし・かんぬきスープレックス…プロレス技だが元はアマレスの技。
外部リンク
- アマチュアレスリング … wikipedia