概要
別名『ダックアンダー・スープレックス』(Duck-Under Suplex)
レスリングのグレコローマン・スタイルにはダックアンダー(腋くぐりタックル)という技術が有り、この技はダックアンダーで相手に組み付き、相手を前方から抱え込んで担ぎ上げ、後方へ投げ落とすものである。
選手によって掛ける姿勢と投げる体制はさまざまである。
レスリング経験者に使用者が多い。ただし、その多くは繋ぎ技としての使用であった。
日本では1964年に日本プロレスに入団したザ・グレート・カブキが、「高千穂明久」を名乗っていた若手時代にアマレス式の投げ方で使用していたが、その後日の目を見ることはなかった。
1989年に新日本プロレスに上がったソビエト連邦出身の『レッドブル軍団』サルマン・ハシミコフがフィニッシュ・ホールドとして使用、ビッグバン・ベイダーをこの技で下してIWGPヘビー級王座を獲得したことから広く広く知れ渡るようになった。
派生技として「ショルダー・スルー」「リバース・スープレックス」といった古典的な技、水車落としからそのまま抑え込む「水車落とし固め」、水車落としやリバース・スープレックスの体勢で担ぎ上げた状態から、相手の体を反転させずに、後方へ倒れ込みながら頭部から叩き落とす「垂直落下式」、天山広吉の「マウンテン・ボム」がある。
また、担ぎ上げた後前にたたきつける「逆水車落とし」があり、プロレスでは船木誠勝が使い、アマレスでは米満達弘がロンドンオリンピック・レスリング男子フリースタイル66kg級で逆水車落としからジャックナイフ式に固めフォールを奪う『米満リフト』を繰り出し金メダルを奪取している。
主な使い手
マサ斎藤、スティーブ・ウィリアムス、ゲーリー・オブライト、杉浦貴、藤田和之、浅子覚、中西学、馳浩、アジャ・コング、若手時代の船木誠勝や高田延彦等。
最近ではアマレスにも水車落としの逆輸入が行われ、吉田沙保里がこの技で勝利、全日本13連覇とリオデジャネイロオリンピック出場権獲得を達成している。