概要
旧・SNKが1999年にリリースした3D格闘ゲーム。
リアルにこだわった演出と、従来の格闘ゲームの概念を根底から覆す独特のシステムが特徴。
同社のAC基板である「ハイパーネオジオ64」最後の作品でもある。
一般的に『武力ONE』と呼ばれる事が多いが、フルのタイトルは
『武力 〜BURIKI ONE〜 WORLD GRAPPLE TOURNAMENT '99 in TOKYO』である。
システム
一般的に格闘ゲーム、アーケードゲームでは左レバー+右の2~6ボタンである事が多いが、
本作は特異な左ボタン右レバーのシステムを採用している。
左側が移動、右側が攻撃という点に関しては変わらないものの、
重心移動という独自の概念が存在しており、打撃技ヒット時のダメージに関わるほか、
投げ技や関節・組技の攻防も右側のレバーで行う事になる。
こうした特殊な操作体系を採用しているため、専用のコンパネが
SNKからハイパーネオジオ64筐体とセットで販売されていたものの、
それが手に入らない現在では普通の筐体に2人プレイ用コンパネ(通称仲良し台)を
改造し、左側ボタン右側レバーにして稼働している例がしばしば見受けられる。
徹底的なリアルへの追及
このゲーム、演出にもシステムにもリアルへのこだわりが徹底しているのが見て取れる。
システム的な部分で言うと飛び道具が無く(リョウの虎煌拳も、モーションこそ同一だが掌底)、『鉄拳』や『バーチャファイター』などでは既に採用されていた空中コンボも存在しない。
また演出面においては、対ズィルバー戦を除き対戦時にBGMが流れずインターデモで少しそれらしきものが流れるだけである。これは当時TVで頻繁に中継されていたPRIDEなどのTV番組からの影響が強く、マットやリングサイドには実在する企業の広告が映し出されている。
エンディングデモも勝者インタビューやテレビ番組のスタッフロール風になっているなど
徹底しており、実際の格闘技選手からも前述の重心移動による駆け引きやリアルさが評価されていた。
登場キャラ
天童凱(てんどう がい)
CV:檜山修之
本作の主人公。格闘スタイルは総合格闘技。クセの少ない操作感覚を誇る初心者向けのキャラクター。
刃●っぽいとか言ってはいけない。
後にKOFへのゲスト出演を果たした。
CV:臼井雅基
年齢と経験を積み、2代目Mr.KARATEと呼ばれるようになったリョウ。
素早さと重さを兼ね備えた打撃戦を得意とし、当て身からの背負い投げを持つが純然たる投げ技を持たない為、ガードを固めた相手には多少苦労する。
パヤック・シピタック
CV:山西惇
遠近共に強力な打撃技を持ち、投げも首相撲からの膝地獄があり隙が無い初心者向け…っつーか文句無しの最強キャラ。
徐竜誠(ソ・ヨンソン)
CV:橋本じゅん
現役大学生(専攻は量子物理学)のテコンドー使い。性格や容姿はかなりチャラ男寄り。
リョウと同様、素早く重い打撃(蹴り)技を多く持つが投げ技を持たない為、こちらもガードを固められると厳しくなる。
CV:有田洋之
オリンピック金メダルの実績を持つレスリング選手。ものすごい無口で、優勝会見でも一言しか返さない。怖い風体だがこれでも高校教師。
投げ技が非常に豊富で、有効間合いが広く返し技を受け付けない片足タックルからの派生技が強力。
暁丸(あかつきまる)
CV:や乃えいじ
現役の力士。協会にはナイショだ!!(世界中継されてるけどな!!)
打撃・投げ共に豊富だが発生が遅かったりリーチが短かったりするが、耐久力や攻撃力は高め。
CV:石井康嗣
プロ意識が高いボクシング選手。「左腕一本でも勝てる」と言うセリフの通り、右腕を使った攻撃はほとんどない。
投げが無くリーチも短いが、回転率の早い技を駆使したラッシュ力の高さがウリ。
CV:津田英治
生真面目一辺倒な柔道家。話が長すぎて、優勝会見が途中でぶった切られる。
投げ技こそ非常に恵まれているものの、その仕様がゲームシステムに愛されていない。
CV:フランキー仲村
高圧的な物言いがソレっぽすぎるプロレスラー。でも子供には甘い。
大ぶりで隙の大きい技ばかりだが、耐久力の高さと一発の重さでプレッシャーを与える。
CV:や乃えいじ
相手を行動不能にするなど豊富な返し技を持ち、ガード不能の攻撃も持つので見た目より攻撃力は高め。だが体力が低く、投げに対して弱い為、相手によってはあっさり負ける。
宋玄道(ソン・シャンタオ)
CV:逆木圭一郎
70歳という高齢の太極拳使い。本作の隠しキャラとは因縁がある。
リーチこそ短いモノの、重さと鋭さを兼ね備えた意外性のキャラ。しかし高齢故に体力・防御力ともに最低クラス。
CV:有田洋之
本作の隠しキャラでありラスボス。(特定条件を満たすことでプレイアブルキャラとして使用可能。)
ダメージの大きい打撃技を持つが、いずれも隙が大きいのが難点。スピードが遅いのも悩みどころ。特定条件を満たすことでプレイアブルキャラとして使用可能。
後に天童凱同様、『KOF XI』のタイムリリースキャラとしてゲスト参戦を果たしている。
遠野緋名子(とおの ひなこ)
年齢:21歳
身長:165cm
体重:50kg
スリーサイズ:B84 W59 H87
参戦キャラではなく、「武力GIRL」と言う名のキャンペーンガール(イメージキャラ)。全部で5人いる候補から、ファンによる公式投票で選ばれた。ゲーム中には引き分けとなった場合のゲームオーバー画面に登場する。