風雲急を告げる近未来格闘!!次代の覇者は、誰だ?!
大いなる宿命に導かれし者達よ…ついに、闘いの時が来た。
まったく新しい概要
『風雲黙示録 格闘創世』は1995年4月25日に稼働。
餓狼、龍虎、サムスピ、KOFに次ぐSNKのオリジナル対戦格闘タイトル5作目。
とりあえず見ろ! うぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
徒手格闘技に武器を組み合わせた、既存の剣道や剣術・槍術のような物とは大きく異なるまったく新しい格闘技の使い手たちが戦う格闘ゲーム。
餓狼伝説のラインバトル方式を採用、多彩なラインアタックやステージ毎に異なるゲームギミックが用意されていたり意欲的な試みが見受けられる。
あらすじ
時は21世紀前半、世界は20世紀とは全く違う姿になっていた。
情報伝達手段などの発展によって世界中のあらゆる人種や文化が混じり合い、独自の世界を形成していた。
そして全く新しい格闘技も次々と生み出されていったのである。
物語は“ジパングシティー”を舞台に始まる。
この街は最も異文化が密集する一風変わった街の一つで、貿易を中心に栄えていた。
ある日、獅子王と名乗る謎の男が「獣神武闘会」の開催を宣言。
「ふははははは……我が名は獅子王、地上最強の名を冠する闘士なり。今この時より獣神武闘会を開催する!自分こそが最強とのたまう愚か者よ!我が主催の“獣神武闘会”に集え!見事勝ち残った者には、我と闘う権利を与えよう。万が一にも、我を倒した者には永遠の富と英雄の称号を与えられるであろう。我を存分に楽しませてくれることを願うぞッ!ははははは!!」
獅子王の大会はルール無用。
格闘技であれば素手、武器、場所を問わず何でもアリとした。
各地から続々と強者たちが集結、それぞれの思いを胸に、今、闘いの幕が開く!!
まったく新しいゲームシステム
操作系はNEOGEO筐体にあわせたレバー+4ボタン。
→ →でダッシュ、← ←でバックステップ。更に↙ → →(↘ ← ←)で大ダッシュや大バックステップも可能。
技の強弱はボタンの押した長さで変わるという全く新しくないシステム。
餓狼伝説シリーズの2ライン移動と、龍虎の拳のズーム機能、脱衣KOを組み合わせた全く新しい試みがなされている。
ボタン配置
- A:パンチ
- B:キック
- C:武器攻撃
- D:ライン移動
ラインシステム
- ラインアタック:攻撃しながら反対のラインに移動する。
- ステップラインアタック:前後にダッシュしてからライン移動攻撃をする。
- 攻撃よけラインアタック:攻撃しながら後方へジャンプし反対のラインに移動する。
- 大ジャンプラインアタック:画面外にジャンプし、反対側のラインの相手を上から攻撃。
- スーパーラインアタック:スピードが速く、判定が大きいライン攻撃。相手がガードしていても体力を削ることができる。
避け攻撃
ガードモーションを取り始めの際に→+Aを入力で相手の攻撃を躱しながら攻撃できる。上半身無敵。
組み技
いわゆる投げ。投げ返し(or殴り返し)も出来る。
ステージギミック
各種ステージによって異なるバトルギミックが用意されているゾ。
逆転技
いわゆる超必殺技。体力ゲージが減り、ゲージが点滅している状態時のみ使用可能。何度でも使える。
まったく新しい登場人物
- ショー・疾風(ブーメラン+空手の風雲拳)
- マックス・イーグル(斧+プロレス)
- キャロル・スタンザック(新体操のボール+合気道のジムナスアーツ)
- ゴードン・ボウマン(トンファー+逮捕術)
- ジョーカー(手品道具+大道芸)
- 中白虎(チュン・パイフー)(炎の杖+中国拳法)
- ニコラ・ザザ(フリスビー+パワースーツ)
- 牛頭(ゴズウ)(鉤爪+炎の忍術)
- 馬頭(メズウ)(鉤爪+水・氷の忍術)
- 獅子王(剣+ボクシング)
- 真・獅子王(剣+ボクシング)
風雲スーパータッグバトルからの登場人物
※風雲スーパータッグバトルでは、キャロルとニコラは登場しない。
新しすぎた…
当時(現在も)あまりにも斬新すぎたのか『風雲黙示録』はイマイチヒットせず、延々とデモ画面が流れ続けるという光景も屡々。主張するようにショー疾風の絶叫がいつまでも鳴り響いていた。
国内でこそヒットしなかった風雲だが、アジア圏では何故かウケたようで翌年にタッグマッチ制の続編『風雲スーパータッグバトル』がリリースされた。
しかし、風雲シリーズはこれを最後にひっそりと幕を閉じたのであった。
稼働から数年後、墓標氏のブログ、動画の影響で風雲黙示録・風雲拳がまったく新しい格闘ゲームとしてネットで注目を集めると最盛期を迎えた。
その後、『ネオジオバトルコロシアム』で獅子王と真・獅子王が登場(真はコンピューター専用)し、
『KOFXI』でショー・疾風と邪頭の二人がタイムリリースキャラとして登場している。
余談
- 『キング・オブ・ザ・モンスターズ2』等を手掛けたチームの作品。「ブーメラン+空手」や「ボクシング+剣術」といったアイディアは餓狼や龍虎のような素手の闘いとは異なる特色を出そうとして生まれた。
- 風雲黙示録シリーズの世界観の元ネタは80年代のSF映画『ブレードランナー』であると語られている。風雲黙示録ではまったく伝わらないが続編の風雲スーパータッグバトルでダーティーな傾向がみられる。
- 小説版、風雲黙示録では20世紀末に経済恐慌が起こり、第三次世界大戦へと発展した世界とされている。
- 風雲黙示録の開発期間はおよそ2年かかった。
- 風雲拳のまったく新しい組み合わせ誕生の経緯について小田氏は「風雲は当時のSNK格ゲーの要素を全部入れようと頑張っていたようです。だからみんな気が狂っていたんです。」と語った。
- 実際、風雲シリーズで採用されているシステムはほとんどKOFに取り上げられなかったものばかりであった。
餓狼伝説との繋がり
二人のキャラクター設定から餓狼伝説シリーズとの関連性が確認されている。中白虎の帽子はかつて『伝説の狼』から貰ったものだとされており、勝利ポーズも彼の影響がみられる。そして続編のキム・スイルはキム・カッファンの血縁にあたる。
このことから「風雲は餓狼の系譜で世界観を共有している」という見方がされている、一方で「KOF的なパラレルワールドの位置付けかもしれない」という慎重な見方もある。
風雲が餓狼後のストーリーラインに位置する作品となると餓狼MOWの後、世界はだいぶ様変わりするということを考えると非常に興味深い。