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怪物中毒

かいぶつちゅうどく

『怪物中毒』とは、「三河ごーすと」によるライトノベル小説。
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概要編集

著者:三河ごーすと

イラスト:美和野らぐ


2022年9月9日電撃文庫より、第1巻が発売日。現在、既刊は2巻。

電撃文庫

特設サイト


コミカライズ編集

作画:久園亀代


2023年2月26日よりマンガワン及び裏サンデーにて連載が開始。

第1巻は2023年9月12日発売予定。

裏サンデー


あらすじ編集

21世紀初頭、地球全土で数億もの死者を出した史上最悪のパンデミックが巻き起こった。

世界を成り立たせていた経済バランス、貿易体制は崩壊。エネルギー、資源不足から貧困と飢餓が続き、鬱憤が爆発した民を国は抑えきれず、略奪迫害抗争、あらゆる地獄が展開されていた。

その中でも世界最高水準の防疫国・「秋津洲」。国勢を立て直したのは政府の行った「社会管理システム《神の眼》」の導入。そして、世界の防疫体制に多大な貢献を果たした巨大企業「Beast Tech社(ビーストティック社)」の存在だった。


しかしそんな息苦しい超監視社会からも逃れられる場所があった。国が認めた唯一の「官製スラム」だ。そこは、《怪物サプリ》と呼ばれるエナジードリンクを飲んで、誰もがカジュアルに獣人に変身し好き放題にやらかしていい無法地帯。

そんな街で、主人公・零士は、相棒・月とともに街の掃除屋として「害獣駆除」を請け負っていた。


そんな彼らが出会いや死闘を経て織り成すオーバードーズ・アクション開幕!


登場人物編集

  • 霞見零士(かすみ れいじ)・・・人獣特区・仮面舞踏街《夏木原》で「掃除屋」を行っている少年。

ぼんやりと淀んだ緋眼に青白い肌、髪は7対3の割合で黒髪と白髪に分かれているクールな顔立ちのイケメン。命曰く、「金持ちのOLに囲われてそうな顔」。身長は172cm。

常日頃『普通になりたい』と切望しており、『普通』への妨げと化すものなら、その理由がどうあれ排除する覚悟がある。

また、吸血鬼の特殊永続人獣(トクニン)と認証されているが、その正体は薬物でヒトの形を保っている古代種の末裔である『気体生命』。その特性は「姿形を自由自在に変えられる霧」。捉えようのない状態こそが零士の本来の姿であることから、彼の上司は「霧の怪物(ブロッケン)」と呼称しているそう。前例がなく正式名称も定まっていないため、カテゴリー上関連性のある吸血鬼に分類されているに過ぎない。

常日頃『普通になりたい』と切望しており、『普通』への妨げと化すものなら、その理由がどうあれ排除する覚悟がある。


能力編集

黒白霧法(こくびゃくむほう)・・・黒法と白法の2種類の霧が存在する。

黒法の特性は『硬化』。霧を使って相手を拘束したり、対象を切り裂いたりすることが可能。

白法の特性は『変化』。霧の科学的性質を変化し、空を浮遊したり、相手に触れずに殴ることが可能。


また、能力を使用する際は黒のウレタンマスクを着用し、耳には花札のようなピアスを付ける。(漫画内の描写から、どちらも霧で具現化した物と思われる。)しかしピアスと言っても耳に直接触れておらず、耳下に花札浮いたような感じである。(おそらく黒い霧でマスクとピアスを具現化し、白い霧を使用してピアスを浮かせているものと思われる。)


  • 頼山月(らいさん げつ)・・・零士の相棒で、彼と共に《夏木原》で「掃除屋」を行っている。

黄色くくすんだ金髪で、右耳にはピアスを付けている。背丈は零士よりやや高く、若く精悍な肉付きのマッチョ。顔も悪くない。

人狼(ワーウルフ)の特殊永続人獣(トクニン)。人獣化すると全身に体毛が生え、頭部と四肢がオオカミの半人半狼と化す。月の満ち欠けによって変身にかかる時間が変わる。また、非常に嗅覚が鋭く、姿の見えない相手や遠く離れた場所の状況まで正確に認識が可能。


  • 賣豆紀命(めずき めい)・・・京東都立アカネ原高校2年A組。

ツンツンと尖った桃色の癖っ毛に碧眼が特徴的な少女。

気が強く、思った事はハッキリ言うタイプだが、素直な一面も持ち合わせており、自分に非があると思ったらきちんと謝れる。

かつては陸上部に所属しており、都大会で優勝したことがあるほど。しかし、不運にも交通事故に遭い、脊髄損傷と右足麻痺の後遺症が残ってしまったことで車椅子生活を余儀なくされた。その事故で命を轢いた車を運転していた男が、事故を起こす直前まで《怪物サプリ》でラリっていたことから、酒飲みに対して非常に強い憎しみを持っている。

しかしまだ走ることを諦めておらず、同情されることを嫌う。自分の為に人を殺した後輩に対しては「あたしを勝手に終わらせるな」と怒りを露わにした。


その後編集

亡くなった後輩の為にも闇サプリの出所を突き止めるべく零士と月を雇い、調査を依頼。

2人の良き友人として活躍する。


関連用語編集

  • 神の眼(かみのめ)・・・365日、24時間、全国民の所在、移動経路をリアルタイムで監視する超監視制度。

  • Beast Tech社(ビーストティック社)・・・防疫体制の確立に多大な貢献を果たした巨大企業。怪物サプリの開発販売卸も手掛けている。その影響力は計り知れず、SNSの世論捜査もお手の物。

  • 幻想清掃(ファンタスティックスイーパー)・・・Beast Tech社の関連子会社。零士と月はここに勤めている。

  • 夏木原(なつきばら)・・・正式名称は「人獣特区・仮面舞踏街《夏木原》」Beast Tech社がパンデミックを制圧した功績で成立させた特区法案。超監視社会から自由を求めて逃げ出した者たちが集う、ブラックホール。ここでは暴力も悪徳も、全てが自由。ほぼ全員が人獣化しており、ヒト型だとむしろ目立つ。

  • 怪物サプリ(かいぶつサプリ)・・・「魔剤」と呼称される場合もある。味はコーラフレーバー。これを飲むと、あらゆる獣の特徴を宿した半人半獣となり、ヒト成らざる生理と代謝を得る。一般的なウイルスや細菌性の病気への抵抗力が増し、他者、環境からの感染リスクは理論上ほぼゼロになる。

種類は3種類あり、大雑把に変化先を選べる。

《赤》→肉食

《緑》→草食

《紫》→爬虫類、両生類


  • 人獣(にんじゅう)・・・怪物サプリを飲み、ヒト成らざる者へとなった状態のこと。様々な種類の獣の特徴を宿し、獣化する割合も人それぞれ。(顔や体はそのままにウサギの耳と尻尾だけ生えたり、胴体以外が完全にオオカミになったり。)

  • 特殊永続人獣(とくにん)・・・太古の幻想種の末裔。一般的には、基本的に時間が経てば元に戻るはずの人獣化が戻らなくなってしまったバージョンとされている。法的には動物と同じ扱い。

  • 幻想サプリ(ファンタビサプリ)・・・遥か昔に絶滅したとされる伝説の古代種に変わるとされている。抑圧されたネットワークの片隅で、社会や学校の暇つぶしとしてまことしやかに囁かれている。

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