伊号第一六八潜水艦（日本海軍）
呉海軍工廠で1931年6月18日に起工。進水は1933年6月26日で、1934年7月31日に竣工し呉鎮守府籍となり第12潜水隊に編入。だが1940年10月19日に予備艦に回され、1941年11月11日に改めて第3潜水戦隊第12潜水隊所属となる。
竣工時の艦名は伊号第六八潜水艦だったが、1942年5月20日に番号が100足され、伊一六八へと改名する。
ちなみに太平洋戦争時ではそこそこの旧型潜水艦であり、騒音から隠密性が低く、船体が1m水中に潜るまでに40秒、完全に水中に潜るまでにかかる時間は90秒程度という、まさに潜水艦というより「可潜艦」といったものだった。
戦時就航した新型の伊400型などは完全潜行を30秒ほどでこなせたらしいが、飛行機と同じく潜水艦もこの戦争で飛躍的に進化したので仕方がないといえば仕方がない。
ハワイ作戦やミッドウェー海戦、キスカ島やアッツ島方面で主に活躍。一時期ガダルカナル島へのモグラ輸送にも従事していたが、失敗している。
特にミッドウェー海戦に参加した潜水艦の1隻で、空母「飛龍」の攻撃隊により深手を負い復旧作業中だった米空母「ヨークタウン」と護衛の駆逐艦「ハムマン」を魚雷により撃沈し、祥鳳・赤城・加賀・蒼龍の仇を取る戦果を挙げている。しかも無音潜行で敵駆逐艦7隻の警戒陣中で一周、さらに敵空母の真下をすり抜けているなど細心大胆な攻撃で戦後に調査した米兵達を驚かせた。
1943年7月27日にビスマルク諸島ニューハノーバー島沖で米潜水艦「スキャンプ」に撃沈され、艦長以下97名全員が戦死した。
艦隊これくしょんにおける伊168
「ワオ！大漁大漁♪」
2013年8月のイベントで実装された、艦隊これくしょん初の潜水艦娘。
公式の呼び方は「イムヤ」。ただし海軍での普段の呼び方は「いのひゃくろくじゅうはち」であり、イムヤは艦これオリジナルの呼び方である。
ちなみに「168」を「イロハ」ではなく「イムヤ」と読ませているのは、日本海軍は潜水艦の艦種区分に「伊呂波(イロハ)」を使用していた為だと思われる。
なお、彼女のセリフの中に「スマホとかで遊んでたんじゃないからね！」というものがあり、艦これの世界観考察に一定の波紋を起こしている模様。まあ、戦後モチーフな響とか、アラレちゃんとか、深夜アニメが気になるメロンさんとか、はたまたコンビニでサンドイッチを買っているお嬢様とかもいるし…。つまりは、艦これの世界観は現代をモチーフとした並行世界なのかもしれない。その辺りは提督達の想像に委ねられるであろう。
ちなみに、防水仕様を謳ったスマホでも海水はNGというのが現実なので、オーバーケースに入れて使っているか、もしくはどこぞのメーカーとのモニター契約でフィールドテストをしているのかも知れない。
9月のアップデートにより、伊58ともども建造で入手できるようになった。所謂「レア駆逐艦レシピ」で、22分になれば潜水艦が建造できる。
容姿
アホ毛付きの赤いポニーテールに緋色の瞳が特徴。ポニテの先や右側頭部の髪などは白いリボンのようなものが巻いてある。
スクール水着の上からセーラー服を上着だけ着るという独特の服装をし、背中には鞄のような艤装を背負っている。
普段は浮輪に乗って浮上しているのか、よく浮き輪の上に座っている。またその左手には艦橋(？)のようなものを持っている。例のスマホだろうか？
ちなみに彼女だけ潜水艦娘の中で振り向きポーズであるため、胸囲を測ることができない。そのためにそのサイズは提督諸氏の想像に任されており、二次創作などでも大きさが一定しない特徴がある。
ところが、中の人である中島愛が演じる2014年2月開始の新番組の主人公も、アホ毛こそ無いが赤いポニーテールに緋色の瞳。
偶然なのか狙ったのかは定かでないが、いずれ絡めたネタ絵も出てくるであろう事は想像に難くない…と思っていたら放送開始後早速投稿されていた。
性格
勝ち気ですこしつっけんどんしたところがあるが、同時に世話焼きで面倒見の良い部分もある。
自称「海のスナイパーイムヤ」というように、戦闘時では慎重かつ大胆なスナイパーを気取っている。
公式４コマでは例の特攻潜水艇「回天」がトラウマらしく、名前を聞いただけで泣き出している。
提督との関係はことさら気安く親しく、よく世話を焼いたり一緒に夕食作りに誘う一方、放置すると「イムヤのこと嫌いになったの？」と訊いてくるなど常に提督を意識し、意識されたいと思っている。その関係はまるで幼馴染みの彼女よう。おかげで提督LOVEの一人だとされている。
ちなみに料理はカレーしか作れない。まあ、帝国海軍の必修料理だし、艦娘では珍しいことではない。
ちなみに潜水艦娘の中でもっとも（二次創作的にも）癖の無い性格のためか、比較的影が薄い。
時報台詞で、数分間放置されただけで「イムヤのこと嫌いになったの?」と不安がる姿にヤンデレ的な気質を見出す提督も存在し、そういった方向性の作品も少なくないが、ネガティブな解釈にはよくあることで、好みが分かれる解釈ではある。
他の艦との絡みでは、ミッドウェー海戦における敵討ちから飛龍との絡みが見られるほか、史実では潜水母艦・大鯨麾下の第三潜水戦隊に所属していた。その下の潜水隊における所属は違うが、第三潜水戦隊という区分であれば伊8も同僚であった。
性能
潜水艦の中で見てもHP等のステータスはやや低め。現状で唯一、改になっても潜水空母にならず潜水艦のままというのも特徴の一つ。同時期に実装された伊58と比較するとスペックで劣るようにも思えるが、その真骨頂は非常に燃費効率が良い上に入渠時間も短いという点。大破しても1時間を切る程度で即全快して再び任務に復帰できる上にかかるコストもリーズナブルと、回数を重ねる必要のある出撃や遠征任務に最適な艦娘と言える。
なお「潜水艦は駆逐艦、軽巡、軽空母から優先的に攻撃を受ける」という特性を利用して、彼女を旗艦にして（旗艦はどんなにダメージを受けても轟沈しない）、修理もせず軽巡駆逐しかいない海域に突っ込み、デコイにして経験値稼ぎをするブラ鎮もあるとか・・・。
特に彼女の実装前から稼ぎ場として有名だった「キス島撤退作戦」は、一つ目の戦闘ポイントで潜水艦に攻撃可能な艦種しか出現せず、勝利時のドロップも経験値もかなり美味しいとあって、これはもう使ってくれと言わんばかり。
もう一人の潜水艦娘である伊58が低確率のボスドロップ限定であるのに対して、彼女はイベント海域のステージクリア報酬として手に入るため、稼ぎに突っ込む提督が続出した。
運営もこの事態を重く見たらしく、その後のアップデートにより旗艦が大破すると出撃・進軍できなくなったため、破れた水着で戦場に放り込まれる酷使状態は解消されることとなった。
ただ他の艦が被弾するより修理資源が少なくすむため伊58とのローテで結局酷使されることも・・・。
その重労働が反映されてか、４コマで登場した際には自分から進んで出撃したという風に描写され、しかも「五十鈴の苦労に比べれば」とまだ出撃し足りないかのような発言をしたため、吹雪たちからドＭ疑惑を持たれた。
