1. 海上自衛隊のあぶくま型護衛艦1番艦の艦名。本項目で説明。
2. 阿武隈急行線にある駅の名。
3. 列車愛称。
4. 日本海軍の軽巡洋艦については阿武隈を参照。
あぶくま型護衛艦1番艦「あぶくま」
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末っ子軽巡の名を継いだ、DE6姉妹の長女
DE-229「あぶくま」は海上自衛隊初のステルス護衛艦にして、現時点で最後の沿岸(乙型)護衛艦「あぶくま」型のネームシップとして、三井造船玉野事業所で建造され、1989年12月12日に竣工した。海自の艦は例年、年明け後から年度末までに竣工するケースが多いが、「あぶくま」は年明け前に竣工したという点が特筆される。
艦名は福島県と宮城県南部を流れる阿武隈川に由来し、日本海軍の長良型軽巡洋艦最終6番艦「阿武隈」の名を受け継いだ。初代「阿武隈」・2代目「あぶくま」ともに6隻姉妹だが、長良型の初代阿武隈が末妹であったのに対し、こちら海自の2代目「あぶくま」は一転して長女となっている点が特徴である。
竣工当時は、舞鶴を定係港としていたが、2010年より呉に転属し現在にいたる。
呉地方隊にはほかに同型艦が「せんだい」「とね」の2隻あるが、この2隻も「あぶくま」同様、当初からの呉配属ではない(「せんだい」「とね」は、「あぶくま」転属の翌年に佐世保から転属してきた)。
能登半島沖不審船事件に遭遇
「あぶくま」が舞鶴配属だった1999年、漁船に偽装した朝鮮民主主義人民共和国の工作船が能登半島沖に出没した「能登半島沖事件」に遭遇する。
本艦は「みょうこう」や「はるな」(後者はすでに2008年度末に退役)とともに不審船を追跡したものの、最終的には取り逃がしてしまった。この事件はのちの海自の艦艇の装備品にさまざまな影響を与えている。
鉄道の「あぶくま」
ひらがなの「あぶくま」には鉄道関係で福島~仙台都市圏を走る阿武隈急行線の駅名と列車愛称と2つの用例がある。
あぶくま駅
宮城県丸森町にある。阿武隈急行線は非電化だった旧国鉄丸森線を転換した路線に、未成線だった福島駅~丸森駅間を組み合わせ、県境をまたぐ福島駅~槻木駅の全区間を一括で交流電化した姿で、あぶくま駅を含む区間は後者に含まれる。阿武隈ライン舟下りの船着場が近い。無人駅。
列車愛称「あぶくま」
1958年10月に上野駅~福島駅間の東北本線準急列車に命名された(1963年まで運行)。その後、郡山駅~平駅(→いわき駅)間の磐越東線の不定期運行の快速列車にも採用されたことがある。
関連タグ
おおよど:同じ三井玉野で建造された同型3番艦。
みょうこう:イージス艦「こんごう」型の3番艦。こちらは現在も舞鶴を定係港にしている。