曖昧さ回避
概要
海上自衛隊の沿岸護衛艦「あぶくま型護衛艦」は6隻が建造された。本艦・DE-231「おおよど」は、その3番艦にあたる。
艦名は宮崎県を流れる大淀川からとられたもので、日本海軍の軽巡洋艦「大淀」に続き2代目となる。初代大淀は呉海軍工廠で竣工し、終戦間際に江田島で米軍機の攻撃により浅瀬で転覆するまで活躍し、さらに連合艦隊最後の旗艦を務めたことで知られるが(実際に旗艦を務めたのは1944年5月から9月までで、それ以降は連合艦隊司令部が現在の慶應義塾大学構内に移された)、大淀型2番艦となるはずだった「仁淀」が結局は建造されなかったため「一人娘」でもあった。
その名を受け継いだ本艦は1989年12月19日に進水、1991年1月23日に竣工・就役した。建造先は隣の岡山県にある三井造船玉野事業所である。つまり2代続けて山陽出身ということになるが、当代「おおよど」はあぶくま型3番艦として姉妹ができた。
また艦内に祀られている神社は、初代大淀が宮崎神宮だったのに対し、当代「おおよど」はより大淀川に近い小戸神社である。
竣工時は佐世保基地を定係港にしていたが、同型2番艦のDE-230「じんつう」と入れ替わる形で2011年3月に大湊基地に転属、現在は同型5番艦のDE-233「ちくま」とともに、第15護衛隊所属となっている。
→詳細なスペックはあぶくま型護衛艦を参照
利根&足柄との縁、再び
本艦竣工後、1993年には最終6番艦のDE-234「とね」が竣工した。先代にあたる航空巡洋艦「利根」(2代目)は初代大淀とともに終戦を江田島で迎えたが、当代が3代目となる護衛艦「とね」は、当代の「おおよど」と同じ「あぶくま」型護衛艦として生を受け、また現在でこそ呉と大湊へ転属したため離れ離れになってしまったが、竣工当時は同じ佐世保基地を定係港にしていた辺り、何かしら因縁めいたものが感じられる。
また初代大淀は、礼号作戦において、重巡洋艦の「足柄」(初代)の同僚でもあったが、名を受け継いだ2代目「おおよど」が佐世保基地を定係港にしていた2008年に、足柄の名を継いだ、「あたご」型護衛艦の2代目「あしがら」が竣工、その佐世保基地に配属され、「おおよど」が3年後に大湊に転属するまでの間、先輩後輩の関係になった。