主要スペックは「あぶくま型護衛艦」の項目へ
概要
DE-232「せんだい」は海上自衛隊の近海用護衛艦あぶくま型護衛艦4番艦として住友重機械浦賀工場で建造され、1991年3月、同型の「おおよど」より一足遅れて竣工した。艦名の由来は鹿児島県の川内川で、日本海軍の軽巡洋艦「川内」に続き日本の艦艇としては2代目。
旧海軍の浦賀船渠を前身とする住重浦賀では、平成に入ってからはあさぎり型護衛艦で1989年竣工の「ゆうぎり」、翌1990年竣工の「せとぎり」が建造されたが、これに続く建造がこの「せんだい」である。
浦賀工場はその後、工場の集約に伴い閉鎖され売却されたが、ドックは現存しており、2022年現在は月に2回見学ツアーが行われている。
竣工当時は佐世保基地に配属され、2011年3月下旬からは呉基地に転属、第12護衛隊配属となったのち、2016年3月18日にはさらに舞鶴基地に転属し、第14護衛隊配属となった。
小型艦ゆえに取り回しがよいのか、ここ数年だけでも大阪、佐賀、鹿児島、直江津、下関、船橋など全国各地で体験航海や一般公開を実施しており、地方隊の顔とも呼べる存在である。2022年の国際観艦式では祝賀航行部隊第8群の先導艦を務め、外国艦艇を率いた。
ちなみに「せんだい」は、KADOKAWAから正式に提供された「川内(艦隊これくしょん)」の等身大パネルを保有しており(乗員談)、一般公開などでよく展示されている。
夜戦忍者?いいえ、違います
あぶくま型護衛艦は、旧式護衛艦としては珍しく赤外線暗視装置を装備しているが(自衛艦の中でも独立した赤外線暗視装置を装備するのは、あぶくま型護衛艦、はやぶさ型ミサイル艇と最新のもがみ型護衛艦ぐらいである)、中でも「せんだい」は先代の影響があるのかないのか、自衛艦の中でもダントツの夜間の瀬取り(北朝鮮の違法貿易)現認・検挙回数を誇る。
さらに……
などなど(ウィキペディア等参照)、先代から続く安定の夜戦バカっぷりを発揮しているようだ。しかも、人を救うための任務にも多数従事しているというのが泣ける……。
佐世保との縁が深い同郷の士たち
呉配属時代の同型艦には、1番艦「あぶくま」と6番艦「とね」もあるが、このうち本艦と同じく佐世保から転属した「とね」は、やはり同じ住重浦賀で建造された同郷の後輩にあたる。
その後、同じ住重浦賀では1999年に新むらさめ型護衛艦の4代目「ゆうだち」を手掛けている。こちらの現在の定係港は大湊基地だが、この艦もやはり竣工当時は「せんだい」同様に佐世保に配備されていた。
関連タグ
川内(艦隊これくしょん):上記の通り、KADOKAWAから正式に提供された等身大パネルが艦内にある。
同じ舞鶴基地配属の海自艦
みょうこう:1996年より運用中のイージス艦・こんごう型護衛艦の3番艦。
あたご:2007年より運用中のイージス艦・あたご型護衛艦のネームシップ。
ひゅうが:ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦のネームシップで竣工当時は横須賀配属だったが、2015年度に舞鶴に転属してきた。
その他の住重浦賀生まれの海自艦
てんりゅう:2000年に竣工した訓練支援艦。