「さぁ、殲滅のメロディーを!!!」
概要
CV:森田順平
- 所属:大ガミラス帝星 親衛隊
- 階級:親衛隊長官
- 座乗艦:ハイゼラード級航宙戦艦『キルメナイム』
- 年齢:地球年齢に換算して39歳
ガミラス帝星、及び帝都バレラスを中心に内政面での抑止力を司る親衛隊の長官(元ネタはナチス親衛隊の指導者であるハインリヒ・ヒムラー)。容貌は、白銀のオールバックの前髪を一部垂らした髪型と、他者を小馬鹿にするような細目が特徴的。
制服は灰色の将官服を着用しており、マントも灰色であるなど、軍人とは違うことを露わにしている。また親衛隊の拡充を彼一代でやってのけた実績を有しており、同時に親衛隊が国軍にとって代わりうる存在になろうと、虎視眈々とその機会を狙っている。
また。ガミラスに恭順を示した者には二等臣民としての権利を与えることが帝国の繁栄に繋がっている、というヴェルテ・タランの主張にディッツは深く頷いていたのに対し、彼は小バカにしたように笑っていた。
性格
「疑わしきは罰せよ」や「本質は秩序」などをモットーとして、疑いの掛った人間は徹底して摘発や逮捕、弾圧、さらには民族の殲滅をも平然として命令し行う冷酷面が際立っている。同情と言った感情の持ち合わせは一切ない。
同時に劇中では慌てたことが一切なく、どんな時ものらりくらりとした余裕の態度でいる。そういった態度や、弾圧や殲滅を平気で行う姿勢も相まって、周りからは忌避や怒りを買うこともしばしばである。そして死ぬ時も慌てる事は無かった。
また口調は慇懃無礼な敬語が主であるが、時々オネエ言葉が見える事もある。オルタリア殲滅の祭には、総督リベル・ドロッペを相手に話しているときに垣間見え、その後のヘルム・ゼーリック国家元帥の観艦式についてミーゼラ・セレステラと話しているときにも若干見える。
親衛隊の拡充
親衛隊は大ガミラス帝星建国時に創設された組織である。それをギムレーが長官として就任して以来、彼の指導の下で親衛隊委は軍備の拡張を促進。果てには独自の航宙艦隊<航宙親衛艦隊>が編制されるほどに至り、その実態は軍隊とは何ら変わらぬ規模(準軍事組織)にまで膨れ上がっていった。
航宙親衛艦隊
ガミラス軍の中で、ギムレー直属の親衛隊によって運用される艦隊。その規模たるや軽く100隻を凌駕するもので、かつて冥王星に駐留していたヴァルケ・シュルツ率いるザルツ旅団の艦隊戦力に匹敵、またはそれを凌駕する程と言えるだろう。何せ戦闘艦のみならず、ポルメリア級強襲母艦を数十隻も有している点で、ザルツ旅団のそれを越している。
さらに親衛隊は思想・能力ともに優れた人材から選び生成したクローン士官・兵士だけで構成されており、実質上彼等によって艦隊全体が運用されている。艦隊の構成は、ガミラス軍の艦艇を青に塗装したもので、主にバレラスの本土防衛を担っている。性能に関して通常艦との差異があるかは不明である。
構成
旗艦…ハイゼラード級航宙戦艦『キルメナイム』
同時にギムレーは、親衛隊が国軍としての地位を奪う機会を狙っており、既に本土防衛艦隊に対しては実権を握っている模様。ただし、バラン星で主力の航宙艦隊全てが置き去りにされてしまい、閣議の最中では残っているのが親衛隊の艦隊のみ、ということから「本土防衛艦隊=親衛隊」という事なのか、或いは「中央軍だった艦隊」のことなのか詳細が明確ではない。
ヤマトによるバラン星崩壊に伴ってガミラス帝星ががら空きになった時も親衛隊が国軍に代わって防衛に当たると発言し、他の閣僚から白い目を向けられていた。
秘密警察の暗躍
親衛隊長官としてだけではなく、他にも秘密警察を有しており、デスラーからは国内の反乱分子の摘発において全権を任されている。しかしその方針は、「国家の秩序を守る為、疑わしきは罰せよ」という言葉通り、嫌疑がかかった者は誰彼かまわず拘束する強引なもの。
こどもや女であろうとも、反乱分子の疑惑が掛れば纏めて拘束してしまい、その一部始終を捉えたガル・ディッツやヴェルテ・タラン、エルク・ドメルからは露骨な反感を買っている。その相手疑惑の掛ったが英雄たるドメルの妻、エリーサ・ドメルであろうとも容赦なく逮捕しており、そのまま収容所惑星へと送り込んでいる。
クローン兵士の推進
小説版では、クローニング技術による兵士の育成、拡充を推し進めたのはギムレーであるとされたいる。当初はその提案に波紋が広がったものだが、急速に拡大する領土の維持の為には人員が足りない事も事実であったことから、止む無く了承されたと言う。
さらにクローニングされるサンプルは、ガミラスの思想に色濃く浸透した者、かつ身体的・能力的にも優秀な者をとされ、クローニング兵士達をより完璧な国家の兵士として育て上げることに尽力した。結果としてそれらは親衛隊の忠実な兵士として育て上げられ、現在に至る。
人間関係
良好的な人間はまず皆無と言って良い。仕事柄でデスラーの基へ一緒に向かうことのあるセレステラがいるが、彼女に対しては「魔女」と露骨にジレルの魔女として軽蔑の目を向けている模様。
ドメルに対しては、ゼーリックの画策によって、バランへ視察に向かっていたデスラーの座乗艦『デウスーラ>デスラー艦』が爆破された時、ギムレーはレドフ・ヒスと共に容疑者として、ドメルとディッツを拘束し犯人であると告発した。
最終的にデスラーの死は見せ掛けで、真犯人であるゼーリックが粛清されてドメルの嫌疑は晴れたが、帰還したデスラーが直々にドメルに謝罪していたのに対してギムレーは何1つ言う事は無かった。そればかりか、バレラスに残った艦隊の大半が航宙親衛隊の傘下にあるため、再びヤマトへの攻撃を命じられたドメルには満足な戦力、兵員をも支給させなかった。
デスラーに対しては忠誠を尽くしている模様だが、本心が何処にあるのかは掴みがたい。
経歴
オルタリア殲滅作戦
惑星オルタリアで原住民が反乱を起こした際には、航宙親衛艦隊を率いて参戦。オルタリアを任されていた総督のリベル・ドロッペを捕らえた。
ドロッペはオルタリアから逃げ遅れた移民団の保護を要請したが、ギムレーは「帝国と総統に叛旗を翻す星は存在してはなりません」と断言。進言したドロッペも、「反乱を押さえ切れなかったことで総統への忠誠に欠いた」と言い放ってその場で射殺。オルタリアには無差別攻撃を加えて先住民を逃げ遅れた移民団ごと焼き尽くした。
この行動はバレラスにいた穏健派の高官達をも絶句させ、ガデル・タランに至っては「親衛隊はやり過ぎだ!」とあからさまな抗議をしている。但しセレステラは「帝国内の結束を保つためには恐怖は必要」と彼の行動を黙認するような言動を見せている。
ゼーリックへの監視
セレステラと共に、ゼーリックのバラン星視察ならびに観艦式が不穏な動きのものであると確認しあい、彼女と共に連携した動きを見せる一面があった。その際、「忠誠こそ、我が命」と言い放っている。
ドメルの拘束
デスラー暗殺事件に伴い、ヒス副総統共にドメルを軍事法廷にかけると、暗殺首謀者としてでっち上げてしまった。彼のモットーである「疑わしきは罰せよ」によって、反論の余地を与えずに死刑判決に持ち込んでしまったのである。
しかし、後にデスラーの生存が確認され、ドメルの容疑も晴れたものの、謝罪する姿勢一つ見せる事は無かった。あるいはセレステラ同様にデスラーの生存を始めから知っており、誤認逮捕も計画の内としてあったのかもしれない。
本土防衛戦
ガミラスの主力(基幹)艦隊3000隻が2ヶ月あまりの距離にあって、本土防衛出来る戦力は親衛隊によって構成された航宙艦隊のみであった。意気揚々と、本土防衛は任せなさいと言わんばかりのギムレーであったが、実際にヤマトを迎撃した・・・・・・のは形だけであった。
航宙親衛艦隊は、ガミラス帝星の手前に待ち構えていたのではなく、機動都市第二バレラスの手前に展開して待ち構えており、この時点からしてギムレーが本土を護る気がないのが伺える。
手始めに、ポルメリア級3隻で編成された前衛部隊で航空機による攻撃を試みる。ヤマトは航空隊に迎撃を委ねて、単艦で本土へ直進していく。ポルメリア級3隻は、メランカによる攻撃を実施するも、コスモゼロやコスモファルコンら航空隊の前に、艦載機を落とされた挙句に母艦自体も被弾してしまう(この後に明確な撃沈の描写はない)。
だが、空母の損害に気を留める事もなく、ヤマトが本土へ直進していく様子を眺めるギムレーは、腕を組みながら平然と言い放った。
「守るべきは新しき都(第二バレラスのこと)・・・・・・しかし、ポーズは付けなくてはね」
ここで追撃部隊としてメルトリア級、デストリア級、ケルカピア級ら数隻を差し向けた。しかも、平然として都市内部で砲撃戦と展開した。が、至近距離における砲撃戦は数分も持たず、貫通して真っ二つになるメルトリア級や、副砲で操舵不能になりビルに突っ込むケルカピア級が続出。中には身を挺してヤマトに立ちはだかったデストリア級がいたが、ヤマトのアルカディア号並みの体当たりには敵わなかった。
その後、ヤマトが総統府に突入したのを入れ替わりに、離脱したデウスーラを収容した第二バレラス。ギムレーも、後はヤマトが旧帝都と共に消え去るのを待つばかり・・・・・・かと思われた。しかし、デウスーラに乗ったままだった2人(森雪と、ノラン)の活躍によって、状況は一遍した。デスラー砲がノランの身を捨てた行動によって暴走、第二バレラスは暴走した波動エネルギーの放射によって大爆発した。
その際、不幸にも第二バレラス周辺を護っていた航宙親衛艦隊は、膨大なエネルギー波と爆炎の嵐によって、全ての艦艇(断定はできないが)が呑み込まれてしまったのである。勿論、その中にはギムレー座乗のキルメナイムも含まれていた。
爆炎が迫る中で、彼は慌てる事もなく、怯える事もなく、いつもの様にただ平然としていた。そして、乗艦が爆炎に巻き込まれる直前に、彼は自嘲気味にこう言った。
「なるほど、これが死か」
多くの人間を粛清してきた人間としては、あっさりとした最期であった。だが、こういった死ぬ間際の動作が、逆に彼のキャラクターとしての印象を強めているとも言えるかもしれない。