日本における「刺青(墨)」
通常の刺青は、1点ずつ針を刺して皮膚に色素を注入するため大変な苦痛を伴うが、この苦痛を我慢してこそ本物のヤクザともいわれる。
最近では、上記の方法に代わってデカールのように皮膚に貼り付けるタイプも主流となっている。
墨を入れると温泉などの公衆浴場やジム等への入場を断られることがあり、近年では海水浴場すら入場禁止になる場合もある。
墨を入れていることが知られるとまともな仕事へは就けない可能性が高い。
これはかつての日本(中国などの東アジア)で刑罰として入れ墨(黥)の刑があったため、刺青はアウトロー(暴力団やDQN)のシンボルというイメージが出来上がっているのも一因である。
消すにあたっても、保険が効かないため高い施術費用がかかることや、完全に消すことはまず不可能で跡はどうしても残るので、入れるにあたっては何年も後のことを十分考えるべきである。
単にファッションとしてやりたいだけなら、シール、ヘナで描くなどのいずれ消える方法や、刺青のように見える柄の入ったストッキングなども代用にできる。
彼(女)らが刺青を施すのには、万が一水死しても、自分の識別になるからである。
ファッションとしての「刺青(タトゥー)」
上記のことから日本ではファッションの一種としても認知されている一方、不良に見られる傾向があるため、現在でも良い印象は持たれていない。
寧ろ「堅気には戻らない」という意志を持ってタトゥーを入れる芸能人もいる。
しかし欧米のミュージシャンやハリウッドの俳優などといった海外の著名人は、ファッションとして普通に入れている人のほうが多いくらいである。
ちなみにイギリスは世界で最もタトゥー人口が多い国のひとつで、成人の5人に1人がタトゥーを入れている。
儀礼的なもの
通過儀礼や成人・身分の証、魔除けとして刺青を入れるしきたりを持つところもある。
- 古代中国との接触を本格的に持ちはじめる前の日本において、男たちはみな顔や体に刺青をしていたという記録が魏志倭人伝に残っている。
- ニュージーランドのマオリは、伝統的な刺青「モコ」を一生かけて完成させる。モコは身分や個人の証明や、一族の来し方を表す家紋などの役割も兼ねている。
- フィジーではピアスと刺青をされなかったものは死後の世界において地獄のような責め苦を受けると信じられていた。
このようなことから、野生児やアニミズム属性のあるキャラクターに刺青やボディペイントが施されていることはわりとよく見かける。
タグとしての「刺青」
肌を晒さなければ大きな(凝った)刺青の全容は見えない、ということでR-18タグの付いているイラストが大変多い。