概要
八つの方位と、上下(天地)、そして太陽と月の神を合わせたもの。
密教において重要視される枠組みであり、修法や儀式を行う場の守護神として、祀られた。
それらは掛け軸や屏風として現存している。本尊として特定の場所に設置される仏像と異なり、
儀礼が行われる時と場所を選んで設置しやすい掛け軸や屏風は、十二天信仰と相性が良かったのだろう。
羅刹(ラークシャサ)は通常、複数個体が存在する種族名であるが、十二天の一人でもある「羅刹天」は一人の神となっている。
地天は元となったヴェーダ・インド神話では女神プリティヴィーだが、仏教に取り入れられた後男性化している。
結果として十二天は全員男神である。
メンバー
東方:帝釈天
東南:火天
南方:焔摩天
西南:羅刹天
西方:水天
西北:風天
北方:毘沙門天
北東:伊舎那天
以上八名を「八方天」もしくは「護世八方天」という。
上方:梵天
下方:地天
八方天に上下(天地)の二神を加えて「十天」という。
日:日天
月:月天