概要
インド神話の火神アグニが仏教に取り入れられたもの。火天とは漢訳仏典における表記である。
ゴータマ・シッダールタは仏弟子たちに対し、ホーマ(護摩)を行うことを禁じたが、大乗仏教が興り、密教が生まれると再導入された。
アグニはホーマの祭火を通して天上界の神々に供物を届けるとされる重要な神だが、密教においては同時に不動明王や烏枢沙摩明王のような炎の尊格が誕生しており、火天が単独で祀られ、信仰される事はまずない。
火天は曼荼羅を構成する神々や、密教の儀式や修法を行う祭場の守護神「十二天」として言及される。