メリュジーヌ
めりゅじーぬ
「メリュジーヌ」とは、フランスの伝承に登場する蛇女。
またはそれモチーフとして創作された、ゲーム『ファイナルファンタジー5』に登場する敵モンスターである。
フランスの伝承
メリュジーヌ(Melusine)は、人間であるアルバニアの王と、泉の妖精・プレッシナの間に生まれた娘とされている。普段は美しい娘の姿をしているが、出生時に呪いを受けており、毎週土曜日になると下半身が水蛇の姿になってしまう。
成長したメリュジーヌは、リュジニャンの領主・レイモンと恋に落ちる。メリュジーヌは「土曜日に自分の姿を決して見ないこと」という誓約を交わした上でレイモンと結婚する。
愛し合い、幸せに暮らす2人は10人の子供をもうけたが、人間と半妖のあいだに産まれた子供たちのうち8人は、異形の性質を持ち、気性も荒かった。
あるとき、レイモンは禁を破って土曜日にメリュジーヌの姿を見てしまい、彼女の正体を知る。しかし、レイモンはそれでもメリュジーヌを妻としつづけた。
だが、二人の間に生まれた息子達が殺人を犯したと聞いたとき、レイモンは激昂して「お前が蛇だからだ」「化け物女!」と妻をなじる。
愛する夫の言葉に傷ついたメリュジーヌは川に飛び込んで行方をくらました。すると、その後レイモンが治めるリュジニャン家の一族は急速に衰退してしまったという。
また、メリュジーヌが住んだというリュジニャン城も、1574年に砲撃を受け破壊された。
なお、一説では、メリュジーヌを表す「女」「蛇」「水」は富と繁栄を象徴しているといわれており、「メリュジーヌ(Melusine)」という名も「Mère(母)」と「Lusignan(リュジニャン)」の合成語であると考えられている。