人物
本作のサブヒロイン。
人類に敵対している「霧の艦隊」と呼ばれる第二次世界大戦時代の艦の形状を模した艦艇群の中の一隻。艦の形状は、旧日本海軍の高雄型重巡洋艦一番艦の高雄を模している。
単純にタカオと呼ぶ場合、メンタルモデルのほうを指す。
早期警戒艦として日本の太平洋沿岸に配置されており、そこに横須賀を目指す千早群像らイ401が接近。広域索敵能力を有した潜水艦501を自身の下に隠して自身の策敵外からの超重砲で不意打ちをするも、発射直前に群像が勘によって401を転舵させたことによって凌がれる(一応、強制波動装甲を限界一歩手前まで追い込んだ)、その後再び現れた401の巡航潜水艦が本来有しないはずの超重砲による砲撃によって501が破壊されたことにより敗北する(ただし上記の通り401の防御力は0に近く、超重砲も使い物にならなくなっているため、群像のハッタリを受けていなければ彼女が勝っていた)。この戦闘によって人類、というよりは千早群像に強く惹かれるようになり、直後に霧の艦隊を出奔。初めは千早群像と言う「人間」を「ユニット」て欲しいと甲板で呟くほど。数週間を北海道で人間に紛れて過ごし、精神的に大きな成長を遂げ、かなり人間臭くなった。その当時暮らしていたアパートの部屋の内装には後に訪れるハルナ、キリクマを絶句させた。
ちなみにこの時に千早群像の母親と接触しており、交友関係を結んでいる。
その後はイ400やイ402に追い立てられるように北海道を後にし、千早群像らの母港である硫黄島に移動。ヒュウガやイオナと合流し、自身の意思でイ401を旗艦とした艦隊「蒼き鋼」に所属する。最初の任務としてイ401のレプリカを操ってイ401クルー全滅の偽装工作をしていたが、ゾルダン・スタークらのUボートに捕捉され、激闘の末に撃沈されてしまう。その後はメンタルモデルだけイ402に回収され、ヤマト監視のもと刃向かうと面白い髪型になるリボン型拘束具を付けられた後イ402に連れ回される羽目になった。
性格は初期こそ機械的で表情に乏しかったが、新規戦術を考案・実行するなど初期から好奇心旺盛で、GH掲載のタカオ部にて402が、「彼女が出奔するまでは霧で一番の戦術通だった」事と「他の艦との連携をするべきと主張していた」事を述べている。千早群像と接触後は彼にべた惚れであり、北海道で乙女プラグインを実装してからは千早群像を自身の艦長に迎える嬉し恥ずかしい妄想に旅立ってしまうこともしばしば。だが元々の勝ち気な性格が災いし、千早群像当人の前では全く素直になれず、協力するにも理由を必要とする始末。ただ心酔した相手に対する義理堅さと忠義心は本物であり、千早群像からの依頼を命を呈して守ろうとした事でもそれは裏付けられている。
「乙女プラグイン(ツンデレ)」というかなり稀有なメンタルを実装しており、イオナやイ402からは「ツンデレ重巡」「お姫様」などと呼ばれる。メンタルモデルの容姿はスレンダーな体型に腰まである長い青髪の女性の姿。登場する度に髪型や服装がコロコロかわり、もっとも外見のバラエティーに富んでいる。「蒼き鋼」に所属してからは胸に「BLUE STEEL」とプリントされたTシャツとホットパンツというコーディネートを好んで着用している。
他の霧の艦に比べて精神的に大きく成長している影響もあってか、取り得る戦術は創意工夫に富んでおり霧の中でも指折りの手練れである。台風の目に隠れながらもロ501との連携で索敵範囲を拡大してイ401を一時は翻弄して見せたり、圧倒的に勝るゾルダンらのUボート部隊と戦術を駆使して互角以上の戦闘を繰り広げ彼の切り札まで使わせるまでに至った。
ただし、戦闘では弾薬などの消耗を気にする余り手数を優先してしまう癖等の詰めが甘い部分が見られ、有力な敵には度々煮え湯を飲まされている。千早群像率いるイ401には24時間の武装封印を受けたり、「蒼き鋼」加入後の対ゾルダン戦では船体とメンタルモデルの一部を失うという失態を犯している。
原作ではイオナやマヤ同様自らのメンタルモデルを模したちびキャラが登場しているが、アニメではその描写はない。
アニメ版
ちゃっかりイオナやハルナと共にEDのヴォーカルを務める。
設定変更の多いアニメ版にしては髪型と時間の制約で端折った部分以外は原作との乖離はほとんどなく、硫黄島でイオナ達と合流するまでは原作通りである。ただし、経緯と接触する登場人物を端折ったお陰でチョロイン呼ばわりされるようになったが。
それ以降は感情に芽生え始めたイオナを恋敵に見るようになるも、最終的にはイオナの千早群像に対する献身に心打たれ、イオナと千早群像を救うために自らをナノマテリアルに分解しそれをイオナに譲渡。結果的に二人は融合を果たし、重巡洋潜水艦「イ401Ars nova」へと変化した。
その際にメンタルモデルを構築する分まで船体に使ってしまったため、以後は立体映像という形で登場するようになり、いままでイオナが兼任していたメインシステムを共同管理するサブシステム的扱いとなった。
最終話の最後でナノマテリアルを補給されたのか、メンタルモデルのタカオは復活している(劇場版のタカオの発言によると、復元されたのはメンタルモデルだけの模様)。
(アニメノベライズ版の記述ではコンゴウとの戦闘後、一度硫黄島跡へと戻ってナノマテリアルを回収。これを用いてメンタルモデルを再生したとされている)
ソルティ・ロード版
TARI氏が描く漫画版アルペジオのスピンオフ漫画では主人公として登場する。
イ402、ズイカクの三人で疑似家族的な形で生活しており、くだんの学校に「青樹タカオ」という偽名で通っている。
時期的にはゾルダンらに撃破されてイ402に連れまわされているころと思われる。
原作と比較するとカツアゲをしている不良や食べ物を粗末にするチンピラなどに対してすぐに手が出るなど激情家な性格になっているが、手が出て相手を伸した後で「ついカッとなってやってしまった」、「ソルティ・ロードのタカオはキレやすいとか言われる」と猛省している。
一方で妙に人間の事に詳しいイ402(当人は認めたがらないがお母さん枠)やフリーダムなズイカク(妹枠)に振り回されたり、同じ学校に通っている夢見人なトキオ、音楽好きなケイ、生徒会長という役職の責任と音楽好きな本心の板挟みに悩むリンコ、そしてひょんなことから知り合ったマキシマ親子という一癖二癖ある人間たちと、それが泡沫の関係とわかったうえで関わり合いながら生活している。
余談
ちなみに彼女のスリーサイズは上から
20.3センチ砲弾1.8発分、12.7センチ機関砲弾3.5発分、61センチ魚雷5分の4発分
(=36.54cm:44.45cm:48.8cm 再放送用公式CM「霧くまs」より)のナイスバディとの事。
彼女の紋章は頭部が二つある歪な形状の人型となっているが、これは「一人になり切れない二人の人間」とも取れる。果たしてそれが暗示しているのは実らぬ恋か、それともツンデレか。
薬師如来の真言梵字にも似ている。
なお、腕に相当するラインがかなり長くなったデザインの紋章がアルス・ノヴァモードのイオナのバルジ部分に描かれている。